DAIHATSU　タント　エグゼ

　ダイハツから、新しい発想の新型軽自動車「タントエグゼ」が発売されました。

　この「タントエグゼ」の一番の特徴は、４席すべてが独立したフル４シーターとなっていることで、後席でも前席と同等の座り心地を実現するという、今までの軽自動車にはなかった発想で開発されています。
　最近の軽自動車は後席空間は驚くほど広くなりましたが、この車は広いだけでなく座り心地や見た目の高級感にまでこだわった「大人４人で乗るための車」というわけなのです。

　外観は、「タント」ほど四角くなく、「ムーヴ」ほど丸くなく、デザイン性と広さをうまくバランスさせた感じです。
　既存車種のように個性を前面に押し出すのではなく、落ち着いた雰囲気でさりげない高級感を持たせているのがこの車の特徴です。
　全高は１７３０ｍｍで、「タント」よりも２０ｍｍ低い数値となっています。
　「タント」がスライドドアを採用しているのに対し、この車は両側とも通常のヒンジタイプのリヤドアを採用。
　この車にもノーマル系とカスタム系の２モデルが用意されていて、カスタムは大型エアロバンパーやクリアタイプリヤコンビランプなどの多数の専用装備によってより上級感を高めたエクステリアとなっています。

　インテリアは、圧倒的な広さと圧倒的な高級感を両方併せ持っています。
　室内長は２０７０ｍｍで、「タント」や「ムーヴ」よりやや劣るものの、ライバルとなる「パレット」とほぼ同じレベルの数値で、後席の足元も余裕の広さです。
　室内高は、「パレット」を上回る１３８５ｍｍを実現し、頭上空間もかなり余裕があります。
　この広い空間に、自発光式メーターなどの装備はもちろんのこと、シート生地にも一部合成皮革を使用するなどして隅々まで徹底して高級感を演出。
　さらに、ルーフには、イルミネーションを内蔵した非常に上質なデザインのオーバーヘッドコンソールを装備しているほか、フロントシートの間にもイルミネーション内蔵のコンソールボックスを装備。
　また、軽自動車では異例の左右独立セパレートタイプのリヤシートを採用して、センターアームレストも装備。
　しっかりしたサイドサポートやふくらはぎまで支えるシート形状など、今までの軽自動車では考えられなかった贅沢なリヤシートを採用することで、前席と同等の座り心地を実現しているのです。
　２５５ｍｍのロングスライドを備えるこのリヤシートの座り心地とそこに広がる光景は、今までの軽自動車では考えられなかったレベルで、後席に大人のゲストを迎えたときに、きっと誰もがその上質な空間に驚くことでしょう。

　この「タントエグゼ」は、環境性能が優れているのも特徴で、ベースの「タント」よりも６０ｋｇも軽量化されており、エンジンやトランスミッションの最適化によって、２１．５ｋｍ／Ｌというクラストップレベルの低燃費を実現し、一部グレードでエコカー減税やエコカー補助金にも対応させています。
　２ＷＤ車はすべてＣＶＴを搭載し、遮音材を積極的に使ったことなどにより、見た目だけでなく走りに関してもスムーズで静かな大人の移動空間を実現しています。

　グレード構成は、ノーマル系が、２ＷＤ＋ＣＶＴの「Ｘスペシャル」「Ｘ」「Ｇ」と、４ＷＤ＋４ＡＴの「Ｌ」「Ｓ」という５種類、カスタム系が、２ＷＤ＋ＣＶＴの「Ｘ」「Ｇ」「ＲＳ」と、４ＷＤ＋４ＡＴの「Ｓ」という４種類（「ＲＳ」は４ＷＤ＋ＣＶＴも有り）で、２ＷＤと４ＷＤでグレード名が異なるというちょっと珍しい試みをしています。
　エンジンは、ＤＶＶＴ付ＤＯＨＣと、ＤＯＨＣターボエンジンの２種類で、ターボエンジンは「ＲＳ」のみに搭載。
　ボディカラーは、ノーマル系とカスタム系でそれぞれ４色の特別色を含む８色ずつを展開しています。

　ダイハツは、「タント」で究極の広さを実現しましたが、広さとピラーレススライドドアにこだわったことにより、ライバルの「パレット」と比べて燃費や高級感といった点で評価がイマイチでした。
　そこで、今度は広さでは「パレット」と同等程度とする代わりに、燃費や高級感で互角に対抗し、さらに後席の快適性では軽自動車トップを目指して開発したのがこの「タントエグゼ」というわけです。
　とにかくこの車のインテリアの雰囲気には圧倒されますが、特に後席の座り心地の良さは圧巻です。
　いままでは、軽自動車といえば、ひとりで乗るかファミリーで乗るものという概念があったと思いますが、この車は本気で大人４人で乗れる初めての軽自動車と言ってもいいかもしれません。
　スズキが「パレット」を日産にＯＥＭ供給し始めたことにより、「パレット」の生産も大幅に伸びることは間違いなく、今後さらに「大空間で高級な軽自動車」の人気は高まっていくことになるでしょう。

　なお、「タントエグゼ」については、カーチェックコーナーにて豊富な写真で詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。