SUZUKI アルト
スズキのベーシックセダン「アルト」がフルモデルチェンジしました。
新型は、商用イメージの強かった旧型から大きくイメージチェンジし、スタイリッシュで質感の高いセダンに生まれ変わっています。 外観は、商用バンと乗用車で異なるバンパーデザインを採用するなど、従来の商用イメージを払拭する存在感のあるフロントマスクとしたのが最大の特徴。 全高は1535mmで、旧型よりも35mm高くなっていますが、全体的に丸みを帯び、絞り込みの大きいデザインであるため、特に大きくなったような印象はありません。 ホイールベースが40mm延長されて2400mmとなり、タイヤサイズも145/80R13と大きくなったため、特にサイドビューのどっしり感が増し、かなり車格アップしたように感じます。
インテリアも、素っ気ない印象だった旧型と比べてずいぶん柔らかで上質なイメージになり、ドアアームレストの大きさや角度まで大幅に改善されています。 軽自動車ではインパネシフトが主流となっている中で、新型はあえてフロアシフトを踏襲していますが、そのデザインも一新して上質な印象になっています。 メーターは、瞬間燃費、平均燃費、航続可能距離も表示可能となり、大型のインパネトレーも採用するなど、使い勝手も大幅に向上。 さらに、上級グレードにはプッシュスタートボタンを採用し、ベーシックセダンとは思えない上質さも味わえます。 室内寸法は旧型とほぼ変わらないものの、居心地はずいぶん良くなっています。
質感の大幅アップと並んで注目なのが、メカニズムの大幅な改良です。 トランスミッションが大幅にグレードアップされ、上級グレードでは副変速機構付CVTを採用して力強い加速と低燃費を両立してスムーズな走りを楽しめるようにしたほか、下位グレードにも4ATを採用。 エンジンは、全車VVT付DOHCとすることで低速トルクをアップするなどして、どのグレードを選んでも快適な走りを実現。 徹底した走りと環境性能へのこだわりによって、全グレードがエコカー減税に対応しているというのもうれしいところです。 カタログ燃費は、すべてのグレードが20.0km/L以上となっていて、CVTの2WD車では24.5km/Lと、旧型のMT車に匹敵する数値となっています。
グレード構成は、廉価グレードの「E」、量販グレードの「F」、CVTも選択可能な「G」、上級装備満載の「X」という4グレード構成。 ミッションは、グレードにより、5MT、4AT、CVTが用意され、すべてのグレードで4WDも選択可能。 ボディカラーは、グレードにより最大6色が用意されていますが、ブラックやパールホワイトといった定番カラーは用意されておらず、ブラウン、ブルー、グリーンなどのアースカラーを中心としたラインナップで、環境に優しい車であることをアピールしています。
価格は、廉価グレードの「E」が、732,900円(2WD/4AT)で、最上級グレードの「X」が、1,029,000円(2WD/CVT)など。 上級グレードの装備が豪華になったため上限価格は上がったものの、下位グレードに関しては旧型とほぼ同レベルの価格を実現しています。 質感や環境性能が大幅にアップしたことを考えると、ほぼ価格据置なのはうれしいですね。
なお、新型「アルト」については、カーチェックコーナーにて豊富な写真で詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
「アルト」といえば、商用車ベースの安い車というイメージが定着していますが、新型はそういったイメージを払拭するべく大幅な質感アップを図っています。 しかも、環境性能や乗り心地も大幅に改善しながら、価格は旧型からほぼ据え置きです。 「パレットSW」で量産乗用車に初採用したばかりの副変速機構付CVTを贅沢にも採用するなど、走りの質感についてもかなりこだわっていることが伝わってくる車です。 さらに、メーカーはこの環境性能にもまだ満足はしておらず、さらに改良を重ねてもっと燃費を改善する考えのようで、「アルト」は究極のエコノミーカーから究極のエコロジーカーへと進化していくことになりそうです。 ライバルのダイハツも数年内に低燃費車を発売する予定であり、今回の新型「アルト」の登場によって、軽自動車の燃費改善競争はさらに加速していくことになるでしょう。
今回のモデルチェンジのポイント
- 乗用モデル専用デザインのフロントバンパーを採用するなどして、商用イメージを払拭するスタイリッシュな外観を実現
- フロアシフトの採用など基本的な部分は変えずに、インテリアの質感や使い勝手を大幅に向上
- 副変速機構付CVTの採用により走りと快適性を大幅に向上し、AT車に関しても3ATを廃止して全車4AT化
- 一部グレードにキーレスプッシュスタートシステムを採用
- 最高で24.5km/Lの低燃費を実現し、全グレードでエコカー減税に対応
|
|