NISSAN キックス
日産から、軽乗用車としては5車種目となる新型車「キックス」が発売されました。
日産は、軽乗用車をスズキと三菱からのOEMで販売していますが、今回発売された「キックス」は、三菱の軽SUVである「パジェロミニ」のOEM車となっています。
外観やインテリア、そして性能などはすべて「パジェロミニ」とほぼ共通ですが、フロントグリルを日産の人気車種である「エクストレイル」と同じイメージのデザインに変更し、日産車らしいイメージに仕上げているのが最大の特徴です。 また、エンブレムやスペアタイヤカバーなどにも若干の違いがあり、独特の存在感があります。 インテリアも、助手席アッパーパネルに3本のラインを設け、ブラックのモノトーンインテリアを採用するなどして、独自性を出しています。
ベースとなっている「パジェロミニ」は9月にビッグマイナーチェンジを実施したばかりで、利便性や質感が大幅に向上しているため、この「キックス」も、基本設計が古いとはいえ、豊富な収納や質感の高さなどは軽SUVの中ではトップレベルです。
グレード構成は、「パジェロミニ」よりもシンプルになっていて、充実装備の「RX」と廉価グレードの「RS」という2種類のみ。 全車4気筒インタークーラーターボ+4WDのみの設定で、ミッションは4ATまたは5MTとなっています。
価格は、「RX」で、1,591,800円(4WD/4AT)などとなっていて、「パジェロミニ」と比較するとやや高めの価格設定になっていますが、フォグランプが全車標準装備となっているなど、装備内容には若干の違いがあるので、単純には比較できません。 ボディカラーは、ホワイトパールやミディアムグレーといった独自色を含む全6色で、「パジェロミニ」よりもカラーは豊富ですが、2トーンカラーの設定はありません。
今回発売された「キックス」は、新型車といっても、10年前にフルモデルチェンジし現在も現行型として販売を継続している「パジェロミニ」がベースとなっているため、目新しさはありません。 しかし、日産は「エクストレイル」「デュアリス」「ムラーノ」といったSUVが人気で、今回軽乗用車にもSUVを用意したことで、SUVのフルラインナップ化を達成し、同時に軽乗用車のフルラインナップ化も達成したことになります。 したがって、「キックス」の発売は、「SUVといえば日産」「軽といえば日産」といったイメージを高める上では非常に大きな意味を持つことになります。 日産は、軽市場にもっとも遅く参入し、生産はすべてOEMに頼っており、軽自動車メーカーとしての知名度はまだまだといったところです。 しかし、参入からわずか6年で軽乗用車のラインナップを5車種まで増やし、トップメーカーのダイハツとスズキに次ぐ充実ぶりとなったことは、他メーカーにとっては脅威でしょう。 軽の生産から撤退するスバルや軽の縮小を進めているマツダに対し、日産は軽自動車メーカーとしての存在感をさらに増してきています。 今後数年間で、軽自動車メーカーの力関係が大きく変化することも予想され、ダイハツとスズキのトップ争いと合わせて、3位以下のシェア争いにも注目が集まることになるでしょう。
今回の新型車のポイント
- 日産初の軽SUVで、日産の軽乗用車としては5車種目
- 9月にビッグマイナーチェンジを実施した三菱「パジェロミニ」のOEM車
- フロントグリルやインパネの一部などに日産オリジナルデザインを採用
- 全車4気筒インタークーラーターボ+4WDのみ
- フォグランプが全車標準装備となっている一方で、オーディオは装備されないなど、装備内容は「パジェロミニ」とは異なる
- ボディカラーは独自色を含む6色と豊富だが、2トーンカラーは設定なし
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