DAIHATSU タント
フロントエンジンで究極の広さを追求する車「タント」が、フルモデルチェンジしました。
新型は、基本的なデザインは初代のイメージを踏襲しているものの、中身は大きく進化し、軽自動車最大の室内空間はもちろんのこと、走行性能や使い勝手も徹底追求されています。
もっとも大きな進化は、なんといっても軽で初めてとなるセンターピラーレス+スライドドア(上級グレードは電動スライド式)を採用した点です。 「ミラクルオープンドア」と名付けられたボディ左側ドアは、フロントドアも開ければ、1480mmという軽自動車の常識を超えた大開口となり、乗り降りがとてもスムーズで、助手席を前倒しすれば大きな荷物の積み下ろしもラクラクという、他車を圧倒する利便性を備えています。 外観はトールワゴンタイプでありながら、ある意味1BOXを超えた積載性を持つ車とも言え、積載性を重視しながらスタイリングや走りにもこだわりたいユーザーにとっては、圧倒的な魅力を持っています。
エクステリアで特徴的なのは、「ムーヴ」などにも採用されているグリップ式ドアハンドルの採用で操作性や質感が向上していることや、メッキパーツを多用し、フロントフェンダーに膨らみを持たせることでさらに迫力を増したフロントマスク(タントカスタムのみ)などで、初代がヒット車となっただけに、全体のイメージは大きく変えていません。 しかし、ノーマルシリーズはより愛嬌のあるデザインとし、カスタムシリーズはより精悍なデザインとするなど、両シリーズの差別化がさらに進んでいます。
ボディサイズは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1750mmで、旧型よりも25mm背が高くなっていますが、ホイールベースは2490mmで、旧型よりも50mm延長されているため、安定感を損なうことなくさらに室内を拡大しています。 気になる室内寸法は、室内長2160mm、室内幅1350mm、室内高1355mmで、旧型よりも160mm長く、50mm幅広く、25mm高い室内となっています。 もちろん、室内長と室内幅は軽自動車最大で、特に室内長は、日本が世界に誇る最高級車「レクサスLS460」よりもさらに10mm長いという、驚きの寸法です。 室内の広さは、単に数値上のものだけでなく、前後シートの距離など実際の居住性も軽自動車最大で、全長わずか3395mmのボディでこの室内空間を実現したことにただ驚くばかりです。
インテリアの機能面も大きく進化していて、リヤシートのスライド量は旧型と同じ左右独立260mmですが、助手席が280mmスライド+可倒式(シートバックテーブル付)となったことで、後席の広さと開放感がさらに向上し、また、前後の席でコミュニケーションが取りやすくなっています。 さらに、一部グレードでは軽初となるフローリングフロアも用意されていて、今までの軽とは別次元のリビング感覚のインテリアを実現しています。 フローリングフロアはオプションでダーク色や大理石調も選べ、さらにオプションのカーテンを取り付ければ完全に部屋として使えるようになっています。 旧型で一部グレードに採用されていた大型オーバーヘッドコンソールもさらに進化を遂げ、今度はルームイルミネーションを内蔵したドーム型の超大型オーバーヘッドコンソールが装備されていて、質感が大幅に向上しています。 装備面では、チルトステアリングやシートリフターなどのほか、リバース連動ドアミラー&リヤワイパーなど、運転のしやすさという点にも重点が置かれています。 センターメーターやインパネシフトなどは旧型から受け継がれ、旧型からの乗り換えでもスムーズに運転できるように配慮されています。
メカニズムは、トルク感や静粛性の高さなどで定評のあるダイハツの新世代エンジン「KF」型(ターボおよびNA)と、燃費の良さで定評のある新世代CVT(上級グレードのみ。他は4AT)の組み合わせで、スムーズで力強い走りでありながら燃費を最大1割程度向上。 サスペンションなども新設計となり、静粛性や安定性も大幅に向上しているようです。 安全装備も進化し、センターピラーレスでも他車と同等のボディ剛性を確保しているのはもちろんのこと、サイドエアバッグ、ニーエアバッグ、ダブルプリテンショナー機構付シートベルトをセットにした「セーフティパック」を設定するなど、先進の安全性を確保しています。
グレード構成は、ノーマルシリーズが、「L」「X」「Xリミテッド」「Xリミテッドスペシャル」の4グレードで、カスタムシリーズが、「L」「X」「Xリミテッド」「RS」の4グレード。 ターボエンジンが搭載されるのは「RS」のみ。 CVTは、それぞれ「Xリミテッド」以上のグレードに搭載されますが、「RS」以外のCVT車には4WDの設定がありません(4ATのグレードはすべて4WDの設定あり。5MTの設定はなし。)。 価格は、ベースグレードの「タント L」が、1,081,500円(2WD/4AT)、最上級グレードの「タントカスタム RS」が、1,617,000円(2WD/CVT)など。 全体的に旧型よりも若干価格アップしていますが、他の軽にはないミラクルオープンドアや今までの常識を超えた室内空間の広さなどを考えれば納得の価格設定です。 ボディカラーは、角度によって虹色に色が変化する新色「ミスティックブルーマイカアロワナ」など、それぞれのシリーズごとに9色ずつを用意。
初代「タント」は、FFでありながら圧倒的に広い居住空間を実現した車として衝撃的なデビューを果たし、たった数年でダイハツを代表する車種へと人気を高めました。 二代目となる今回の新型は、見た目こそあまりインパクトはありませんが、軽ナンバー1の室内の広さだけでなく、使い勝手、快適性、経済性まで、すべてにおいて完璧を求めた車と言えそうで、さらに人気を高めることになりそうです。 1月にはスズキも対抗車種を発売する予定で、新型「タント」の発売は、やや落ち着いてきた軽自動車の人気が再び高まるきっかけとなるでしょう。
なお、新型「タント」については、カーチェックコーナーにて豊富な写真と解説で紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
新型タントのポイント
- 左側ドアに、センターピラーレス+スライドドアにより大開口を実現したミラクルオープンドアを採用
- 軽最大の室内長、室内幅、前後シート距離を実現した圧倒的に広い居住空間
- 280mmスライド+可倒式(シートバックテーブル付)助手席シートなどによる豊富なシートアレンジ
- 軽初のフローリングフロアやイルミネーション付大型オーバーヘッドコンソールなどクラスを超えた質感を持つインテリア
- KFエンジン+CVTにより、スムーズでパワフルな走りと低燃費を両立
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