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NISSAN オッティ

フロント リア

インパネ 日産車らしいフロントマスク

 「eKワゴン」のOEMモデルである「オッティ」が、フルモデルチェンジしました。
 OEM元の「eKワゴン」が9月にフルモデルチェンジしたことに伴うものですが、「オッティ」は2005年のデビューなので、わずか1年余りでのフルモデルチェンジとなりました。

 基本的な内容は「eKワゴン」と同じですが、フロントグリルを専用デザインとして旧型のイメージを受け継ぐ日産車らしい雰囲気にしたほか、ボディカラーも専用色を用意するなどして差別化を図っています。
 よりシンプルになった外観の中で最も目を引くのがリヤコンビランプで、「eKワゴン」と同じく全車に軽初のLEDのブレーキランプを採用していますが、クリアタイプではないのが「eKワゴン」との違いです。
 UV&ヒートプロテクトガラスを、従来のフロントウインドウだけでなくフロントドアウインドウにも採用するなど快適性が進化しているのは「eKワゴン」と同様です。

 インテリアは、ボディ形状がほとんど変わっていないことや、ドアトリムの形状などに旧型の面影があるため、あまり大きく変わったような印象は受けませんが、インパネのデザインはまったく別物になり、質感も大きく向上しています。
 旧型の特徴であったセンターメーターは継承していますが、シフトレバーはコラムシフトからインパネシフトへ変更となり、操作性が向上しました。
 また、オーディオスペースが従来よりも高い位置にセットされ、インダッシュナビ装着時の視認性が良くなったのも大きなポイントです。
 シートは、MT車を除く全車に大型アームレスト付きのベンチタイプを採用していますが、実はこのシートも大きく改善されていて、むち打ち軽減構造を採用したほか、着座位置を旧型よりも低くして頭上空間を広くし、さらにスライド量を従来よりも大きくすることで、あらゆる体格の人に対応できるように配慮されているのです。
 後席のシートバックも従来より高くして座り心地を良くしていますし、室内長を65mm、室内幅を55mm、室内高を10mmそれぞれ拡大したことによって、外観から想像するよりもかなり広い室内空間を実現しています。
 ボディ形状をほとんどそのままにこれだけ室内を拡大できたというのには驚きます。

 装備面でも非常に多くの点が改善されていますが、最も注目なのは助手席側のリヤドアに電動スライドドアが設定されたことです(スライドドア車は12月発売予定)。
 軽自動車ではスズキの「エブリイワゴン」が先に電動スライドドアを採用していますが、フロントエンジンでの採用は「eKワゴン」とともに軽初となります。
 今まではこのサイズでスライドドアは不可能かと思っていましたが、ちょうどリヤバンパーのラインぎりぎりまでで止まるようにうまく調整されていて、また、スライドレールをボディ外側でなくドアトリム側に備えたことで、デザインを犠牲にすることなく実現したという点もすばらしいです。
 しかも、スライドドアは、運転席のボタン、ピラーに備えたボタン、リモコン、ドアハンドルという4種類の方法で開閉できるという実に親切な設計。
 また、収納なども細かい部分まで改善されていて、旧型で好評の大きさの変えられる運転席カップホルダーを助手席にも新たに設置したほか、リヤドアアームレストを大型化してその先端にカップホルダーを設けるなど、利便性が大きく向上しています。
 好評の取り外せるプチゴミ箱は、助手席のシートバックに取り付けて後席用として使うこともできるようになりました。
 なお、オーディオはハイグレードサウンドシステムなどを用意する「eKワゴン」とは異なり、標準オーディオ以外は日産オリジナルのオーディオがオプション設定されています。

 グレードは、標準の「S」、上級オーディオや13インチアルミホイールなどが付いた「E」、スライドドア仕様の「M」という3種類に、「eKスポーツ」のOEMとなる、NAエンジンの「RS」とインタークーラーターボエンジンの「RX」という2種類を合わせた合計5種類。
 旧型と同じく全車3気筒SOHCエンジンで、スペックも50馬力/6.3kg・m(ターボは、64馬力/9.5kg・m)と変わりなく、ミッションも、5MT(「S」)、3AT(「S」「M」)、4AT(「M」「E」「RS」「RX」)の3種類と従来モデルどおり。
 ただ、「M」には3AT仕様と4AT仕様があり、それぞれに装備内容も違うという、ちょっとわかりにくい設定なのが気になります。
 燃費は旧型とほとんど同じ数値で、メカニズム面ではあまり新しい試みはなされていないようです。

 気になる価格は、「S」で、1,029,000円(2WD/3AT)などとなっていて、「eKワゴン」よりもやや高めの設定となっていますが、花粉・におい・アレルゲン対応タイプのクリーンエアフィルターがオプションで用意されるなど装備面で細かい違いがあります。
 ボディカラーは、専用色のミストブルーを含む全10色(「RS」「RX」は、「eKスポーツ」には無いライトイエローやライトブルーを含む全7色)となっています。
 インテリアカラーは、「S」「M」「E」がベージュで、「RS」「RX」はブラックという設定。
 4WD車は全グレードに設定されています。

 さらに、今回のフルモデルチェンジに合わせて、特別仕様車「ライダー」も発売されました。
 「ライダー」は、オーテックジャパンの手による迫力のデザインを施した特別仕様車で、他の日産車にも設定されている人気のシリーズです。
 メッキパーツを多用した迫力のフロント周りは「eKワゴン」にはない雰囲気で、ここでも大きな差別化が図られています。

 日産は、2002年に軽自動車市場に参入したばかりですが、「MRワゴン」のOEMである「モコ」も今年フルモデルチェンジしたばかりなので、新型車2台が揃った状態で販売に勢いがつきそうです。
 噂によれば、この秋にもう1台スズキからのOEMで第3弾となる新型車を投入する予定らしく、そうなると1年で新型車3台を発売することになります。
 もともと多くの顧客を持つ日産の販売網による優位性がある中で、さらにこれだけ新型車が揃うと軽自動車のシェアが激変する可能性もあります。
 今年は新車ラッシュの1年となっていますが、軽自動車の人気上昇とシェア争いの激化はまだまだ続きそうですね。

 なお、OEM元の新型「eKワゴン」「eKスポーツ」については、カーチェックコーナーにて豊富な写真で詳しく紹介していますので、ぜひこちらもご覧下さい(外観デザインが若干異なること以外はほとんど同じ車です)。

 見積りやカタログ請求などは以下のリンクをご利用ください。

日産自動車ホームページ
カタログ請求などはこちらでどうぞ。

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