SUZUKI ワゴンR
スズキの主力車種であるワゴンRが、フルモデルチェンジしました。
外観は、一目でワゴンRとわかるほどのキープコンセプト。 ワゴンRの一番の特徴である極太の窓枠はそのままですが、ヘッドライトとリアコンビランプはやや縦長となり、全体に角張ったデザインを採用。 全高は、現行型と同じ1645mm。 あまり目新しい印象はないですが、よく見ると各パーツのクオリティがアップしていて、運転席以外のキーシリンダーは廃止され、特にリアビューはすっきりとした印象になっています。
インテリアは、ブラックやダークブルーなどを基調としたもので、インパネは直線的なラインで構成されますが、メーターは丸型で、スピードメーターとタコメーターを独立させたデザインは「ラパンターボ」に似た印象。 シフトはコラムシフトを継承しますが、レバーのデザインを変更して操作性を向上しています。 ルームランプはビルトインタイプとなり、残照式を採用するなど質感も向上。 多彩なシートアレンジや豊富な収納は健在で、助手席アンダーボックスやインパネセンターボックスに加えオーバーヘッドコンソールも装備。 また、リアシートは左右独立で135mmのスライドができるほか、センターアームレストを前後に装備するなど快適性も向上しています。 広いラゲッジスペースは、ワンタッチでリアシートをフォールダウンして簡単に拡大することが可能。 旧型よりも85mm拡大された1850mmの室内長と、同じく45mm拡大された1305mmの室内幅、そしてシートバックの中央部分をえぐったデザインのフロントシートなどの採用により、後席の居住性も向上しました。 一部グレードには6スピーカーオーディオを装備するなど、快適性の向上も図られています。
グレードは、「FA」「FX」「FT」「FS」と、スポーツモデルの「RR」と「RR−DI」という6グレード。 「FA」はNAエンジンの廉価モデル、「FX」はNAエンジンで充実装備の量販グレード、「FT」はMターボエンジンと充実装備の上級グレード、「FS」はMターボエンジンにエアロパーツなどを装備したスポーティグレードとなっています。 「RR」はヘッドランプやリアコンビランプなどを変更し14インチアルミホイールを装備した専用エクステリアに64馬力ターボエンジンを搭載し、Hi−Lo切替式プロジェクターディスチャージヘッドランプなどを装備したスポーティモデル。 「RR−DI」は、軽初の直噴ターボエンジンを搭載し、「RR」の装備に加えてCD/MD+6スピーカーオーディオ、フルオートエアコン、本革巻きステアリングなどを装備した最上級モデル。 直噴エンジンは、軽自動車のターボ車としてはトップの19.0km/Lという低燃費。
ボディはプラットフォームを一新し、フロントサスペンションも新設計。 また、フロントドアの二重シール(縁ゴムの二重化)構造や吸音タイプのダッシュサイレンサーの採用などにより、静粛性も向上させています。 外観はあまり大きく変わっていませんが、走りはまったく別物になっているようです。
EBD付きABSやサイドエアバッグの設定など、安全性にも配慮したほか、旧型と同じホイールベースでありながら最小回転半径を10cm小さくするなど、使い勝手の良さもしっかり進化しています。 また、日産との提携によりカーナビと連動した有料情報サービス「カーウィングス」に対応することも可能で、先進性もしっかり備わっています。 ボディカラーは、淡いメタリック色などを中心に全9色(RRはダークメタリック色などを含む全8色)を用意。
価格は「FX」が、965,000円(2WD、4AT)、「RR−DI」が、1,400,000円(同)など。 「ワゴンR」のモデルチェンジによって、主要3社のトールワゴンがすべて新型となり、これから競争が本格化しそうです。 ホンダの「ライフ」はやや路線変更して「ワゴンR」などとの直接の競合を避けた印象ですが、宿命のライバルとも言うべきダイハツの「ムーヴ」と「ワゴンR」は、熾烈な販売競争を展開することになるでしょう。 新型「ワゴンR」は、高級化した「ムーヴ」に対して、あくまでシンプルで実用性の高い車を目指した感じです。 どちらがより多くの人に支持されるのでしょうか。 年度後半戦も、熱くなりそうですね。
なお、「ワゴンR」については、カーチェックコーナーにて詳しく紹介していますので、ぜひご覧下さい。
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