SUZUKI ツイン
1999年の東京モーターショーに参考出品されていた「Pu−3コミュータ」の市販モデルが、1月22日についに発売されました。 基本的にショーモデルそのままのデザインですが、名前は「ツイン」に変更されています。 2人乗りのキュートなボディが目を引きますが、なんといっても目玉は一般ユーザー向けの軽としては初のハイブリッドシステム車が設定されていることです。 それも、現実的な価格で・・・。 詳細はカーチェックでお伝えしていますが、ひとまずこの車の特徴について簡単に紹介します。
まず、その個性的な外観ですが、全長は2,735mmと、同じ2人乗りのスマートKよりも17cmほど長いのですが、全高が1,450mmと同車より10cmも低いため、実際に目の前にしてみるとかなり小さく見えます。 ホイールベースは1800mmと、スマートKとほぼ同じですが、最小回転半径は国産車最小の3.6mという、驚異の小回り性能を実現しています。(スマートKは4.1m) 前後バンパーは、最近では珍しくなった未塗装の樹脂バンパーを採用。 ヘッドライトなども、あえて最近主流であるマルチリフレクター式は採用せず、不要な飾りは一切廃止した実用重視のデザイン。 でも、たまごのようにツルリとした感じで、全体的にはかわいい印象です。
インテリアも、とにかくシンプル。 唯一の特徴はセンター配置した大きなスピードメーターで、その下にはエアコンが装備されるだけ。 ステレオなどという贅沢品(?)は装備されませんし、通常4つあるはずのエアコンの吹出し口も2つだけしかありません。(スピーカーのみ装備済み) また、室内のトリム(プラスチックの化粧カバーなど)は極力省かれ、上半分は天井以外ほとんど鉄板むき出しの状態で、なんだか旧規格の軽を思い出させるような雰囲気です。 そんな中で、シートだけはサイズが大きくてやわらかく、街乗りでは非常に快適そうな感じがしました。 室内の広さは必要十分といった感じで、本当に走るために必要なモノと空間だけを用意したという感じですが、大型のバニティミラーやキーレス、2人分のカップホルダーを装備するなど、毎日使う車として使い勝手に不満が出ないような工夫がされているのはさすがです。 ただし、リアの荷物室は容量は十分なのですが、ガラスハッチ式になっているので荷物の出し入れは大変です。
グレードは全部で4種類あり、ガソリンエンジンの「ガソリンA」(5MTのみ)と「ガソリンB」(3ATのみ)、ハイブリッドシステム採用の「ハイブリッドA」(4ATのみ)と「ハイブリッドB」(4ATのみ)という構成。(ハイブリッドAは3月発売) 基本的に、「A」はエアコンやパワステさえ装備しない廉価版グレードなので、一般ユーザー向けなのは「B」ということになります。 「B」は両席エアバッグ、カテキンフィルター付きエアコン、キーレスなど一般的な装備はすべて付いているので、ステレオさえ装備すれば装備面で不満はないはず。(タバコを吸われる方は、灰皿がオプションなので要注意) ボディカラーは、信号と同じ赤、青、黄色の3色。(ガソリンAは白のみの設定)
エンジンは3気筒DOHCで、トルクは5.8kg・mとなかなかの数値ですが、馬力は44馬力とかなり非力。 トルクが高く、車重が600kgと軽いので街乗りでは扱いやすいと思いますが、さすがに高速道路はキツイでしょう。 しかし、ハイブリッド車は、これにプラスして3.3kg・mのトルクと7馬力弱のパワーを電気モーターがアシストしますから、単純計算すると最高出力51馬力、最大トルク9.1kg・mという性能になり、坂道でも余裕の走りをしてくれそうです。 気になる燃費ですが、ガソリンエンジン車は22.0km/L(ガソリンB)で、これでもなかなかの数値なのですが、ハイブリッド車はなんとAT車で32.0km/L(ハイブリッドB)という驚異の低燃費を実現しています。 この車で通勤すれば、燃費を測るのが楽しみになるはず。
価格は、「ガソリンB」が、840,000円、「ハイブリッドB」は、1,390,000円となっています。 「装備なんか要らない。走ればいい。」という人向けになりますが、「ガソリンA」の、490,000円は現在販売中の軽自動車の中では最も安い価格になります。 それにしても、2人乗りという制約はつくものの、実用装備がすべてついたハイブリッド車が、1,390,000円というのはすごいですね。 まだまだ一般的な価格とは言えませんが、軽の世界でもハイブリッド車が一般的になる時期がそう遠くはないということを実感させてくれます。 とにかく、注目の車であることは間違いないですね。
なお、カーチェックでは20枚以上の写真とともに詳細を紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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