DAIHATSU ミラ & ミラ アヴィ
ダイハツのベーシックモデルであるミラがフルモデルチェンジしました。 今までのイメージを一新する大胆で迫力のあるデザインとコンパクトカーに匹敵する質の高さが特徴です。
まずはそのスタイリングですが、小さくまとまった現行型とは大きく違い、全高を1500mmにまで高めてセミトールワゴンに近いイメージになっていて、とにかく大きくて立派になりました。 全高アップはほとんどそのまま居住空間の拡大に影響しており、室内高はなんと70mmも高くなっています。 若干シャープになったデザインも居住空間の拡大に貢献していて、室内幅はムーヴと同じく軽最大の1300mmを確保し、室内長は1895mmというセダンタイプでは考えられないような広大な空間を実現しています。 ピラーの傾斜がややきついため、ムーヴに比べると若干頭上空間は狭く感じますが、それでも旧型に比べれば非常に広くなっていて、後席の足もとは特に広くなっています。 また、ラインナップも見直され、現行型ではバンからターボまでほぼ同じデザインなのに対し、上級モデルの新シリーズ「アヴィ」を新たに設定しました。 「アヴィ」は、ヘッドライト、バンパー、ボンネット、フロントフェンダー、グリル、リアコンビランプ、インパネに至るまでほとんどが専用デザインとなっていて、徹底してベーシックモデルのミラとの差別化を図っています。
ミラのフロントマスクは、シャープなデザインのヘッドライトに小さめのグリルが特徴。 リアコンビランプは、セダンタイプでは珍しい縦長のデザインを採用しています。 ブレーキランプの位置が高く視認性が高い上、非常に質感の高いリアビューとなっています。 全体的にクセのないシンプルなデザインで、多くの人に受け入れられそうです。 インテリアは、凹凸の少ないフラットなデザインのインパネを採用し、上質感を演出しています。 エアコンのルーバーのデザインにまでこだわりを感じます。 また、助手席エアバッグは継ぎ目のないシームレスタイプを採用していて、助手席周りのすっきりとしたデザインを実現しています。 フロントシートも構造を見直し、Sバネの採用によって乗り心地が大幅に向上しているようです。
アヴィの外観は、縦長にややつり上がったヘッドライトと横長の大型メッキグリルが特徴。 ボンネットの位置が高く、ムーヴの屋根だけを低くしたようなイメージなので、迫力があります。 また、縦長のリアコンビランプは、左右をガーニッシュで結び、ちょうどホンダ ストリームのようなイメージになっています。 バンパーも大型化され、それほど派手ではないですが、しっかりとした存在感のあるデザインです。 「RS」には165/55R15という大型サイズのタイヤも装備。 インテリアも、オーディオまでフラッシュサーフェス化され、木目調パネルをあしらった質の高い専用デザインのインパネや、MOMO製本木目ステアリング(RS、Xのみ)、センターアームレスト、メッキリング付き2眼メーターなど、上級車種のムーヴと同等の質感を確保しています。 また、パワーウィンドウスイッチ照明(なんと助手席も!)やマップランプなども贅沢に取り入れ、質感と使い勝手はコンパクトカー以上と言えます。(マップランプはムーヴと同じプッシュ式で質感高いです!) ドアを開けると、メーターパネルなどが発光して迎えてくれます。
使い勝手も徹底的に研究されていて、4人分のカップホルダー、プッシュオープン式センターボックス(ミラ)、助手席シートアンダートレー、プルオープン式インパネユーティリティポケットなどを採用しているほか、全ドアにドアポケットを設けるなど、収納スペースを大幅に拡大しています。 エアコンスイッチも、操作性に優れるダイヤル式を採用しています。 しかし、パワーウィンドウスイッチはインパネ下部に配置されちょっと使いにくそう。 ムーヴ同様ほぼ直角に開くドアは、いざというときにとても便利。 シートリフターやチルトステアリングなども一部グレードに装備されています。 ドアのふちゴムは2重化(アヴィのフロントのみ)され、静粛性も大幅に向上しているようで、その静かさはカローラクラスといいますから、早く乗って確かめてみたいですね。
気になるエンジンは、NAがツインカムDVVT3気筒エンジンとOHC3気筒エンジン、そして後述の直噴エンジンの3種類で、どれも23.0km/L(10・15モード、5MT車)以上の低燃費を実現しています。 アヴィの上級グレードには3気筒ターボエンジンが搭載され、走りもかなり期待できます。 軽初の直噴NAエンジンは、「V」というグレード(5MT車のみの設定)に搭載され、アイドリングストップシステムとの組み合わせにより、60馬力のハイパワーながら30.5km/L(10・15モード)という驚異の低燃費を実現しています。 AT車は、従来のフロアATを採用し、CVTの設定もあり。 コラムシフトのムーヴ、インパネシフトのマックス、フロアシフトのミラと、好みに合わせて選べるように賢くラインナップされてますね。 最小回転半径4.2m(一部除く)という小回り性能の良さもうれしいところ。 超(良)低排出ガス認定やインテリジェント触媒の採用など、環境への配慮も万全です。
安全面もまったく妥協なしで、64km/hオフセット衝突に対応しているのは当然のこと、カーテンシールドまで備えた6エアバッグ、むち打ちを軽減するダイナミックサポートヘッドレスト、横滑りなどを防止するDVSUなど、先進技術も惜しみなく投入しています。 また、最上級グレードの「RS」にはディスチャージヘッドランプまでも装備しています。 その他にも、ムーヴと同じくマルチインフォメーションDVDナビシステムやブラインドコーナーモニターも装備可能。 装備の面でも軽で最も進んでいる車と言えます。
ボディカラーは、淡いメタリック色を中心に8色(アヴィは9色)を用意。 気になる価格は、ミラのベースグレード「L」が、759,000円(2WD、3AT、3ドア)、アヴィの最上級グレード「RS」が、1,200,000円(2WD、4AT)と、かなり身近な設定となっています。 スポーツモデルの「RS」2WD車に5MTが設定されているのは、走り好きの人にとっては要注目です。 ダイハツは、今度のミラを単なる軽のベーシックモデルとは考えていないようで、このミラこそダイハツが考えるこれからの軽のスタンダードと言えるでしょう。
最近の軽は質感、安全性、装備などで普通車とほとんど差がなくなってきましたが、ダイハツは、軽の中でも大きさによって質感や装備などに差をつけるべきでないと考えているようです。 「質感にはこだわらないが大きな車がいい」あるいは「小さいほうがいいが質感にはこだわる」というような意見は実際にあるわけで、より自分のライフスタイルに合った車選びが可能になるという点で非常にうれしいことではないでしょうか。 なお、新型ミラについてはカーチェックで大量の写真とともに詳細を紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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