DAIHATSU タント
どうですか？この開放感と明るさ。
重厚感のあるインテリアを得意とするダイハツが、このようにポップで明るいインテリアに挑戦したことだけでも拍手を送りたいですが、隅々まで行き届いた仕上げの良さや使い勝手の良さには思わず笑顔がこぼれてしまいます。
インパネデザインは、ムーヴからの流れを受け継ぐフラッシュサーフェスデザイン（段差を無くしたなめらかなデザイン）。
明るいツートーンカラーを採用しただけでなく、表面処理も非常に凝っていて、ムーヴとは違った高級感があります。
センターメーターは非常に収まりが良く、ややドライバー寄りに設置されているため、視認性も良いです。
メーターフードなどの出っ張りがないため、前方視界が広く開放感があります。
シフトレバーはムーヴと同じように見えますが、実はインパネシフトとなっています。
両席エアバッグや衝撃感知安全システムなどは全車標準装備。
ただし、ムーヴのようにサイドエアバッグやカーテンエアバッグといったオプションまでは用意されていません。
チルトステアリングを採用しているので、体型に合わせて調整が可能なのがうれしいです。
ステアリングのデザインがイマイチなのと、本革ステアリングの設定がないのが少々不満ですが、この車のキャラクターには合っているのかもしれません。
パーキングブレーキは足踏み式となっています。
センターメーターの表示はこんな感じになっています。
横長のデザインで、スピードメーターの表示が非常に大きく、視認性は非常に良いです。
トリップメーターと燃料計は液晶デジタル表示となっていて、質感もなかなかです。
ターボ車にもタコメーターが付かないのは少々不満ですが、ＡＴ車の場合はタコメーターの必要性は低いので、スピードメーターの見やすさを優先するという考えも悪くないと思います。
特にセンターメーターはドライバーからの距離が遠くなりがちなので、少しでも大きな表示にしてもらえるとありがたいです。
ただ一つ気になったのは、シフトインジケーターの位置です。
シフトインジケーターは現在のシフトの位置を表示するものですが、これがメーターの一番左端についています。
シフトレバーは手元に近い位置にあるのにインジケーターが遠くにあるため、どうも違和感があるのです。
慣れれば気にならないと思いますが、表示部と操作部はできるだけ近いほうが違和感を感じないと思います。
オーディオは、ＣＤ／ＭＤプレーヤー＋４スピーカーが標準装備されます。（「Ｌ」を除く）
インパネとの段差をなくしたデザインに、内装色とコーディネイトしたゴールドのメタリック塗装と、こだわりを感じます。
実はこのオーディオは通常のオーディオサイズよりも幅広になっていますので、一般サイズのオーディオを入れる場合は左右に化粧パネルが必要になります。
スピーカーは１６ｃｍを採用していますので、低音域もなかなかしっかりとした音を出します。
エアコンは、最近の定番となったダイヤル式を採用。
「ＲＳ」「Ｘリミテッド」「Ｘ」には、ダイヤルとプッシュボタンを組み合わせた操作性の良いオートエアコンを標準装備します。
注目なのは、軽では珍しいツインリアヒーターダクトを採用している点です。
これは、後席足元に温風を送るヒーターダクトを、それぞれの席に左右２つずつ、合計４つ設けているもので、寒い日には強い味方となります。
室内が広くエアコンが効きにくい傾向がある車だけに、こういった空調関係へのこだわりは大歓迎ですね。
ちなみに、エアコンの下には左右独立の引き出し式カップホルダーとシガーライター＆灰皿が装備されています。
この車の一番の特徴は、ＦＦ車でありながら驚くほど広い室内空間と、トップレベルの開放感です。
インパネのデザインも開放感や足元の広さなどを重視したもので、凹凸のないフラットなデザインとなっています。
今までのダイハツ車というと、重厚感や圧迫感のあるインテリアというイメージがありましたが、この車はまったく今までのダイハツ車とは違うイメージで、本当に明るくてやさしい感じがします。
また、天井が非常に高く、フロントウィンドウがかなり前のほうに設置されているため、今まで経験したことがないほど運転席周りの余裕が感じられます。
手を伸ばしてもサンバイザーに手が届かないほど、とにかく広いのです。
２ｍという室内長はそれだけでも驚異的ですが、数値だけではなく、デザインやカラーなどの感覚的な部分まで広さや気持ち良さを徹底追求しているところがこの車のすばらしいところだと思います。
「タント」に乗ってみて「おもしろいな」と思うのが、このフロントクォーターウィンドウです。
ミニバンなどでよく採用されていて、軽でももちろん珍しいものではありませんが、ここまで大きくて実用性の高いものは珍しいです。
一般的なフロントクォーターウィンドウは、視界確保というよりデザイン上の都合で設けられている感じが強いですが、この車はしっかりと斜め方向の視界が確保されています。
ピラーも細いため、カーブで先が見えにくいといったこともありません。
「大きな車は運転しにくい」と思っている人でも、これなら安心して運転できるでしょう。
それに、なにより開放感が他の車とは違います。
ウィンドウの面積が大きく、とにかく明るくて、運転が楽しくなります。
ただし、外からは丸見えな感じがして、恥ずかしがり屋の私は、試乗中も他のドライバーの視線が気になりました。
これだけウィンドウ面積が大きいと、おそらく夏は暑いはず。
全面ＵＶカットガラスになってはいますが、できれば赤外線カットによる断熱機能もつけて欲しい気がします。
次は、「タント」のもう一つの魅力、豊富でアイデア満載の収納を見ていきましょう。
