DAIHATSU タント カスタム
シートについても、実はノーマルシリーズとは違う専用デザインになっています。 ベンチシートや大型センターアームレストといった基本部分は同じですが、やや平面的で直線基調の広々感を重視したデザインになっており、ヘッドレストの形状なども異なります。 また、シート表皮はスウェード調で、しっとりとした肌触りになっています。 あまりホールド感を重視したシートではありませんが、広い室内空間やメッキインナードアハンドルなどの効果もあって、軽自動車とは思えないゆったりとした雰囲気と上級感のある前席空間となっています。 なお、ノーマルシリーズは改良に伴いシート表皮を変更し、撥水加工が施されています。
リヤシートも専用デザインで、上質感があります。 圧倒的な広さと、260mmのロングスライドや左右独立フォールダウンといった機能性も持ち合わせた万能リヤシートは、「タント」の大きな売りの一つで、それは「カスタム」シリーズでも同じです。 包まれるようなシートではありませんが、天井も足元も肩周りもすべてに余裕があり、軽の中ではトップクラスの快適な後席であることは間違いありません。 そして、その眺めは、とても軽とは思えないものです。
インテリアを見て一番驚いたのは、この超大型のオーバーヘッドコンソールです。 その大きさはもちろん軽で最大で、フタが2つ付いています。 前側にはサングラスなどが収納でき、後ろ側にはティッシュボックスが入るという、なんとも便利な収納で、後ろ側のフタにはダンパーもついていて、開き方もゆっくりで安っぽさがありません。 それだけでもびっくりしますが、さらに前後マップランプとルームランプをビルトインして、合計6つのランプを装備していることにまた驚きます。 正直、そこまで必要があるのかどうかわかりませんが、後席から眺めるとまるで飛行機の機内にいるかのような雰囲気で、これは初めて乗った人はみんな驚くでしょう。 残念ながら「カスタムRS」のみの専用装備となってしまいますが、これはぜひ実車で体感してほしいです。 ちなみに、「カスタムX」以下のグレードとノーマルシリーズにはオーバーヘッドコンソールはありませんが、フロントマップランプが新設されていますので、使い勝手は良くなりました。
すでに6つのランプがあることをお伝えしましたが、実はまだあります。 これも「カスタムRS」だけなのですが、サンバイザーに照明付きバニティミラーが標準装備されています。 天井の後端にはラゲッジルームランプも装備していますから、全部で9個のランプを装備していることになります。 2列シートの車としてはランプ類が最も充実した車と言えるのではないでしょうか。 「タント」は、無駄に天井が高すぎるのではないかという意見もあったようですが、それが前述のオーバーヘッドコンソールや多数のランプ類の装備につながったと考えれば、結局は無駄ではなかったということになりますね。 また、今回の改良に伴って天井の吸音効果も高めたとのことで、これも天井の高さに余裕があるからこそできたというところでしょう。
今回追加された「カスタム」シリーズは、予想以上にインパクトのある車でした。 「ムーヴ」のほうがネームバリューがありますから、販売台数は「ムーヴ」を上回ることはないのでしょうけど、商品力は「ムーヴ」を上回るのではないかと思うほど、魅力的な車だと思います。 発売以来、室内の広さが人気で販売も好調なようですが、今回のシリーズ追加&改良で全車セキュリティアラームを標準装備したり、細かな使い勝手を改良したことで、さらに人気が出るのは確実でしょう。 最近、次々と新型車や新シリーズを発売しているダイハツですが、それぞれの車にこだわりを感じます。 この「タント」も、ラインナップが充実し、様々なニーズに応えられるようになったことで、今後ダイハツを代表する車種となっていくのではないでしょうか。
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