カーチェック

ここでは、毎回1車種をピックアップし、雑誌等ではあまり触れられていない
デザイン、質感、使い勝手にこだわって徹底的にチェックしていきます。

取材日:2002/3/17

MITSUBISHI パジェロミニ

 三菱といえば、パジェロ、グランディス、エアトレックなどの大型のRV車をイメージする人が多いと思います。
 そんな三菱が社運をかけて発売したeKワゴンは大ヒットとなっていて、これによって三菱がセダンからクロカンまで軽自動車のすべてのタイプをラインナップしている数少ないメーカーであることに初めて気付いた人もいるのではないでしょうか。
 今までも、セダンのルーフをそのまま高くするという奇抜なアイデアを採用したミニカトッポや過激なスポーツモデルであるミニカダンガンなど様々な歴史に残る車を造りだし、軽自動車にはこだわりを持ってきたメーカーなのです。
 その三菱の軽の中でも特に人気の高い車がこのパジェロミニです。
 価格が高いので台数はそれほど出ていませんが、気になっている人は多いはず。
 どんな車なのか、さっそくチェックしてみましょう。

 ※取材している「LYNX」というグレードは、マイナーチェンジで廃止されています。

フロントフェイス 最近の車の中では珍しいほど角張ったボディは新しさはあまりありませんが、しっかりとした安心感のようなものを感じます。
 フロントマスクは丸型4灯式のヘッドライトに丸型フォグランプと丸型ウィンカーというかなり個性的なものとなっています。
 このパジェロミニには大きく分けて3つの個性のあるフロントフェイスが用意されていて、LYNX系がこの個性的な顔つき、ノーマル系が角型ライトのオーソドックスな顔つき、DUKEが超大型グリルの迫力ある顔つきというふうに、好みに合わせて選べるようになっています。
 また、グレードによってカラードグリルになったりメッキグリルになったりと更に細かく表情が変わります。
 この車、その名のとおりパジェロをそのまま小さくしたような車なのですが、パジェロにあこがれて買うというよりも、「ミニが好きだ」とか「ファーストカーがパジェロなのでセカンドカーはミニ」という人もけっこう多いようなので、このようにいろいろなデザインを用意して様々なニーズに応えられるようにしているのでしょうね。

斜めから ちょっと頭でっかちに思えるほど長いボンネットが堂々とした雰囲気を醸し出しています。
 やはり新しさは感じませんが、他メーカーのクロカンが街乗りにも似合うモダンさを狙ってちょっと軟弱なイメージのデザインになっているのに対して、この車はあくまで硬派なクロカンであって、アウトドアシーンが一番似合う感じがしますね。
 「クロカンはこうでなくては」というこだわりが感じられて好感が持てます。
 しかし、それでいてどこか都会的なおしゃれな感じもするところがこの車の人気の秘密だと思います。
 悪路走行時を考慮して車高はとても高く設定されていて、最低地上高は195mmとなっています。
 他社のクロカンもだいたい同じくらいですね。
 ボディカラーは全部で9種類と、なかなか豊富です。

横から ロングノーズショートキャビンのサイドビューはなかなかかっこいいですね。
 このデザインだと室内の快適性は期待できそうにないですが、確かに広くはないですけど意外と快適な室内だったりします。
 太いBピラーがそのままルーフに続いて大きく盛り上がっていますが、ここは室内も同様に盛り上がっているので、単なるデザインではなく中に大きなフレームが通っているのでしょう。
 このBピラーは後席に乗ったときにちょうど斜め前方の視界を遮るので後席の開放感は犠牲になっていますが、そのぶんボディ剛性が高められているのなら許せます。
 全高は1635mmとトールワゴンタイプと同レベルなので、タワーパーキングはほとんど利用できないですが、それでもライバル車に比べると低く抑えられています。

後ろ斜めから ホイールベース(前輪と後輪との距離)は2280mmと軽の中ではかなり短い部類に入りますが、大きなタイヤのおかげで最小回転半径は4.8mとなっていて小回り性能はあまり良くありません。
 もちろん、他社のクロカンタイプもほぼ同じ数値なので、これはあきらめるしかないです。
 このアングルでは、まるで親パジェロのように見えますね。
 リア周りのデザインなんてほとんどそのままという感じで、軽であることを感じさせません。

リアビュー リアビューは、大きなスペアタイヤが迫力を感じさせます。
 スペアタイヤとナンバーの配置、ウィンドウのデザインなど絶妙ですね。
 非常にタフなイメージがあって、やはりオンロードよりもオフロードが似合う車に思えます。
 ハイマウントストップランプは全車標準装備ですが、ペタッと貼りつけたようなレンズにネジも丸見えと、質感は乏しいです。
 おそらく、質感よりもメンテナンス性やワイルド感を強調しているのでしょう。
 この車には似合ってるかなという気もします。
 2WD車はこのようにリアワイパーがつきません。(オプション設定)
 ちなみに、写真の車は2WDのLYNX−Zをベースとした地域限定の限定車なので、一部装備がカタログ掲載車と異なることがあります。

 それでは、外装パーツのチェックです。

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