MITSUBISHI パジェロミニ
荷物を積みたい場合はこのようにリアシートをフォールダウンすればある程度積めます。 床面はフラットになるし、家具を積んだり引越しに使うというのでなければこれだけあれば十分でしょう。 やはりこの車は2人乗り+アウトドア用品を積んでお出かけというのが一番似合う使い方のようですね。 たぶん、この状態のまま走ることが多くなるのではないでしょうか。
ここで一つ感心したことがあります。 リアシートをフォールダウンするときに、ヘッドレストを収納できるようになっているんです。 フォールダウン時にヘッドレストを外さないといけない車も多いのですが、その手間が面倒だし外したヘッドレストの置き場所にも困ります。 ワゴンRなどでもヘッドレストを収納できるようにはなっていますが、この車はさらに簡単操作になっていて、ヘッドレストを後ろから押すとそのまま収納でき、もう一度強く押すとポンと元に戻ります。 つまり、ワンタッチなのです。 この機構によって、フォールダウンは「カチッ」「ポン」と2つの操作だけで完了してしまいます。 こういうちょっとした手間を省いてくれることが、毎日使う車にとってはとても重要だったりするのです。 三菱さん、エライ! ちなみに、バックドアはスペアタイヤがついているせいでかなり重いので、はさまれないように注意しましょう。
さてさて、肝心の走りもレポートしなくては。 でも、ごめんなさい。 ナンバーがついていなかったので試乗はできませんでした。 もっとも、試乗できたとしても一番実力を発揮できる悪路走行を試乗車でやるのは不可能なので、このあたりのことは雑誌や他のサイトの試乗レポートやオーナーレポを参考にしていただくことにしましょう。(オーナーの方、投稿お願いします。) 一応エンジンをかけてみましたが、制振性、静粛性、レスポンスとも優秀でしたよ。 エンジンをかけてすぐに「お、上質な感じ」と思いました。 それもそのはず、この車は全車4気筒エンジンを採用しているのです。 乗った時からすぐわかるこの上質なフィーリング、おそらく同乗者も「これ、軽なの?」と思うはずです。 ちょっとだけでも走ってみたかったです。 バリエーションは、SOHCのNAとDOHC20バルブターボの2種類。 車重は約900kgから1トンと軽にしてはかなり重いので、メチャ速というわけにはいかないでしょうが、2WD時はFR駆動となるので、なかなかスポーティな走りも楽しめそうです。
リアサスペンションは5リンク式を採用していて、走行状態により細かく対応できるようになっています。 日常走行での乗り心地もなかなか良さそうですね。 また、フロントブレーキに全車ベンチレーテッドディスクを採用しているのも見逃せません。 ベンチレーテッドディスクとは、ブレーキディスクを2枚重ねてその間を空気が通るようにしたもので、熱によるブレーキ性能の低下を防ぐことができるのでハイパワーのターボ車に搭載されることが多いのですが、NAを含めて全車に採用されているのは珍しいです。 また、ライバル車はいずれも1枚もののディスクを採用していることを考えても、この点ではライバルを一歩リードしていると言えるでしょう。 クロカンであっても、高速走行時も安心して乗れる車でなければいけないというこだわりが感じられます。
このエンジンルームの下にあるカバーは、スキッドプレートと呼ばれるもので、悪路走行時に跳ね上がった石や砂などからエンジンなどを守るとともに、大きな段差で底を打ったときにもメカが受けるダメージを軽減してくれるものです。 これもなんと全車標準装備。 悪路走行から高速走行、そして街乗りまですべてを安心してこなせるように一切の妥協がないところは、本当に感心します。 しかし、ちょっと気になるのはアプローチアングルなどの数値がライバルのジムニーよりも劣ること。 この数値が高いほど起伏の激しい悪路でもボディを打つことなく走破できるということになるわけですが、もちろんこれはあくまで数値上の問題なので実際の走行時に必ずしも走破性が劣るということにはなりません。 しかし、ジムニーが悪路走破性の高さで定評があるのは、このあたりも影響しているのかなとも思えました。 実際に乗り比べてみたいものですね。 どなたかオーナーレポでお願いします。
今回細かくチェックしてみて感じたことは、この車は見た目にはいかにもクロカンなのですが、実際には快適性や通常の走行性能も高く、まさに街乗りから高速、悪路とオールマイティに使える車だということです。 日常の足として使いたい人、本格的な悪路走行をする人、ファーストカーとして使いたい人など、どんなニーズにも対応できるトータルバランスの優れた車だという印象を受けました。 三菱を代表する車名である「パジェロ」の名前を冠するだけあって、本当によく造りこまれています。 こういった点が人気の秘密なのではないでしょうか。 4WDなんて必要ないし・・・という方も、ぜひ一度見てみてください。 意外と候補車の一台に加わるかもしれませんよ。
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