DAIHATSU ムーヴ エアロ RS XX
トールワゴンタイプでバックドアが横開きなのは珍しいです。 でも、これって使い勝手いいですか? 雨の日には雨よけにならないし、やっぱり後ろにはある程度のスペースがないと開けられないし。 閉める時にヨッコラショとやらなくていいのは良いことですが、横開きだからムーヴはキライという意見もよく聞きます。 好みの問題なんですかね。
エンジンは、4気筒16バルブDOHCインタークーラーターボという贅沢なエンジンです。 最大トルクこそ3気筒エンジンのエアロダウンRSに負けますが、低速からグッと力が湧いてきて扱いやすいエンジンなんだそうです。 「なんだそうです」と書いたのは、実は今回取材した車は試乗車ではなかったため、試乗できなかったからなんです。 このへんのインプレは、他のサイトでも専門家がたくさん批評していらっしゃるので、とりあえずそちらを参考にしてください。 でも、エンジンだけは回してみたんですが、トルクはありそうですがふけが軽いという印象ではなかったですね。 同じ4気筒エンジンでも、スバルのエンジンとはまったく性格が異なり、音も走りも重厚という感じでした。
今回のマイナーチェンジで、私が一番気に入ったのはグリルのクロームメッキ化です。 今まではダークメッキグリルだったので、白系の色だとちょっとミスマッチだったのですが、クロームメッキグリルになったことで、ボディが白でもぴったりマッチしますし、もともと大きなグリルがより目立って高級感も増しました。 ちょっと重い雰囲気だったのが、華やかな印象になりましたね。 ダイヤモンドカットのホイールともよく合っています。 ただし、パールホワイト以外の色だと今までどおりダークメッキグリルとなります。 色によってグリルの色が違うなんて珍しい車ですね。
ラゲッジルーム(荷室)はそれなりに広いですね。 なんと言ってもリアシートがスライドしますから、荷室の広さを調整できるという使い勝手の良さは非常にすばらしいです。 リアシートの下にはシークレットボックスというものがあって、軍手などの汚れたものやドライバーなどのちょっとしたツールを入れておくことができます。 メンテナンスやアウトドアを頻繁に楽しむ人にはちょうどいい収納スペースかもしれません。
最後にダイハツ車に共通の不満な点を挙げておきます。 この天井の処理なんですが、色が暗くて室内全体が暗く感じる上に、素材がビニール(プラスチック?)なので非常に質感が低いんです。 他社ではほとんどが明るい色のフェルト生地を使うようになってきていますから、明らかに質感が劣って見えます。 なにも他社のマネをすることはありませんが、もうちょっと検討してほしいところです。
また、白く濁ったカバーのルームランプも安っぽすぎます。 せめて透明のカバーにして形状ももう少し工夫して欲しいです。 ダイハツって、外装パーツは流行をすぐに取り入れるのに、内装パーツはずっと同じものを使ってるっていうケースが多いんですよね。 車は言わば自分の部屋みたいなものです。 インテリアの質感にもっとこだわってもらえると、ダイハツ車ももっと魅力的になると思います。
今回のマイナーチェンジで、RSシリーズは大きく3つの個性に分かれました。 お手ごろ価格でナビまでついた充実装備のRSメモリアルエディション、ステアマチック付きで過激な走りを楽しめるRSエアロダウンリミテッド、質感にこだわり、大人のスポーツを楽しむエアロRSXXという感じになりました。 これによってグレードを選びやすくなったのかというと、かえってステアマチックを選ぶか15インチアルミや本革ステアリングを選ぶかで選択に迷ってしまうようになったような気がします。
いずれにしても、ダイハツのフラッグシップモデルだけあって魅力的な車であることは間違いありません。 ここではお伝えできなかったこともたくさんあるので、ぜひ一度実車を見てみてください。
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