取材日:2002/1/20
DAIHATSU ジーノ
室内の広いトールワゴンやセミトールワゴンが人気の最近の軽市場の中で、高級感と扱いやすさで他を一歩リードする異色セダン、それがこのジーノ(正確には「ミラ ジーノ」)です。 ベーシックセダンであるミラをベースとしながら、扱いやすさはそのままに高級感とかわいらしさを持ち合わせることでとても魅力的な車となっています。 スズキからもオシャレなセダンのラパンが発売され、このジーノとどちらにするか迷われている方も多いのではないかということで、カーチェックで取り上げてみました。 ぜひ、この小粋でオシャレなセダンの魅力を味わってください。 なお、今回はカタログには載っていない「地域限定の特別限定車」を中心に取材していますので、カタログ掲載のグレードとは若干装備が異なることがありますのでご了承ください。
堂々としたフロントフェイス。 流行りのトールワゴンタイプなどと違い全高が低いので安定感があり、落ち着いた印象を受けます。 メッキパーツを多用し、非常に大きなグリルを設けることで高級感を演出しています。 また、どう見ても「あの英国車」にそっくりな表情は、レトロ感もうまく演出していて大変おしゃれです。 ミラの面影はほとんどないですね。 ヘッドランプも左右ギリギリのところについていて、とても幅広の車に見えます。 実際に前に立ってみると堂々としていて「本当に軽の幅なのか」と思うくらいで、これは他のセダンタイプでは味わえない感覚です。
斜めから見ると長いボンネットがとてもかっこいいですね。 最近の軽に多いスペース効率優先のデザインでなく、あくまで正統派セダンとしての主張があります。 ヘッドランプが最前部まで飛び出ているので、ミラよりも全長が長く見えます。 そのランプ周りのボンネットの盛り上がりも力強さを感じますね。 これが運転のしやすさにもつながっているのですが、それは後で触れることにしましょう。
軽の場合、普通はフロントウィンドウが傾斜していて、リアウィンドウは垂直に近いデザインのものが多いのですが、この車はフロントウィンドウとリアウィンドウの傾斜が同じくらいになっています。 フロントウィンドウの傾斜を抑えたのは、ピラーを運転席から遠ざけて頭上の圧迫感を取り除くためです。 リアウィンドウが傾斜しているのはデザイン的な要素が大きいのだと思いますが、それによってルーフの長さは多少縮められています。 1425mmという現在の軽の中では一番低い全高のせいもあって、室内空間はお世辞にも広いとは言えませんが、私はこれで良いと思います。 垂直に近い平面的なリアビューが多い軽のデザインの中で、これだけ自由度の高い軽らしくないデザインを採用していることは、それだけで価値があると思うからです。 すべての車が同じ方向性ではおもしろくないですものね。
この車はセダンタイプとしては珍しくプライバシーガラスが装備されます。 眩しさの軽減やエアコンの効きにも効果がありますし、高級感もありますね。 もちろん、プライバシーガラスはきらいという方のために非装備のグレードも用意されています。 重心が低く、とても上品で落ち着いた感じのリアサイドビューですね。 グレードはノーマル系(ラグジュアリー)とミニライト系(スポーティ)とに分かれていて、ミニライト系のグレードにはミニライト社の14インチアルミホイールが標準装備となります。 セダンに14インチ、かっこいいです。
リアにもとにかくメッキパーツを多用しています。 普通車でもここまでメッキパーツの多い車はないですね。 軽ではナンバーがバンパーにつくことが多いのですが、この車はバックドア中央につきその上をメッキ入りのフードが覆っているので軽らしくない上品さがあります。 この車はレトロ感を演出した車で、そのためにメッキパーツを多用しているのですが、そのメッキパーツが「古い車」というより「高級な車」という印象のほうを強くしているように思います。 こうやってリアビューを見ても、レトロ調というよりは、ちょっと気取った小粋なセダンといった感じがしますよね。
それでは、次のページで外装パーツを細かくチェックしていきます。
|