DAIHATSU ジーノ
ラゲッジスペースは、日常の買い物には問題ないレベルです。 トノカバーがついているのは良いですね。 室外から荷物が見えないですし、荷室と居住空間を分けることでロードノイズが低減したり空調がしやすくなるメリットも期待できます。 内張りがビニールなのはコストダウンなのでしょうけど、汚れたものでも気にせずに入れられるので使い方によってはこのほうが良いのかもしれません。 エクステリアはベーシックモデルであるミラとの差別化を図り高級感を追求していますが、インテリアに関してはどうしても「やはりミラだな」と思ってしまうところが多いですね。
リアシートのシートバックを倒せばそれなりに大きな荷物も積めます。 ミニバンタイプのようにフラットにはなりませんが、家具を載せたり、仕事でダンボールを山積みにしたりという使い方をしないのであれば、これで十分でしょう。 シートバックはレバー操作で簡単に倒せますが、トノカバーは外す必要があります。 バックドアが軽いのには好感が持てました。 これなら力が弱い人でも楽に操作できますね。 女性や年配の方にもやさしい車です。
エンジンは、ツインカムDVVT付き(58馬力)とツインカムターボ(64馬力)の2種類があり、どちらもトップクラスのパワーを誇ります。 燃費はカタログ値で19.4km/L(NAの4AT)と、かなり期待できます。 また、CVTもラインナップされ、こちらは23.0km/Lという驚異の低燃費となっています。 この小さいボディでありながらガソリンタンクは40Lの大容量を確保しているので、給油回数はかなり少なくて済むのではないでしょうか。 これだけのハイパワーを保ちながら燃費にも優れるTOPAZ(トパーズ)エンジンはなかなか魅力的ですね。 さて、走りは・・・。
試乗したのはNAエンジンのミニライトスペシャルです。 まず、エンジン音はドーッという低音とヒューッという高音が常に同時に鳴っている感じで、いかにも軽らしい音です。 静粛性については、旧規格の軽に比べればかなり静かですが、現在のラインナップ中では音が大きいほうに入るでしょう。 高回転の伸びはありますが、それにつれてスポーティで大きな音に変化していきます。 かなりアクセルを踏み込む必要はありますが、上り坂もよく登ります。 とにかく元気のいいエンジンで、パワーを使いきって走る楽しさがあります。 14インチアルミホイールに55扁平のタイヤのせいか、乗り心地は硬めで引き締まった印象を受けます。 重心の低さも手伝ってカーブの連続も軽快にこなすことができますが、段差ではガツンという衝撃が感じられます。 ロードノイズはそこそこ抑えられていますが、信号待ちの時には3気筒特有の振動が感じられました。
試乗して一番印象に残ったのは、ボンネットの形状です。 ボンネットの両端にヘッドライトの盛り上がりがあって、これが車幅を広く感じさせ、車両感覚もつかみやすくしています。 これによって車との一体感が味わえ、ドライビングがとても楽しく感じました。 また、ボンネットのうねりのある形状が独特な雰囲気で、クラシカルなイメージと高級感を同時に感じることができます。 室内の広さを重視する車が多い中で、広さではなく車との一体感を重視した車として貴重な存在だと思います。 きっとこの車の一番の魅力はそこなのだろうと思いました。
いかがでしょう。 スズキのラパンも話題になっていますが、このジーノはすでに登場から3年以上経過しているにもかかわらず、今でも魅力たっぷりの車です。 気負わずに楽しく乗れて、それでいて存在感もあるこの車、知らないままではもったいないですよ。 機会があればぜひ見て、そして乗ってみてください。 「軽の本当の楽しさ」に気付くかもしれませんよ。
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