SUZUKI ワゴンR
[外観デザイン 外装パーツ インパネ周り シート周り 荷室&試乗レポ]
フロントシートは、柔らかすぎず、硬すぎずで、サイズも平均的ですが、座面の形状がよく、ひざの包まれ感が心地よいのが印象的です。 また、シートバックのサイドサポートもかなりしっかりしているので、カーブでも体が安定します。 旧型同様にアップライトなシートポジションで、旧型から乗り換えても違和感がないと思いますが、フロントガラスやサイドガラスの縦方向がやや狭いことと、天井が若干低いことによって、包まれ感は強くなっています。 シートのスライドは、1cm刻みで24段階に細かく調整でき、最適なシートポジションが得られやすくなっていますが、シートリフターの設定がないのは残念なところ。 特に新型は前席の天井がやや低くなっているので、頭上空間が気になる人はシートリフターで調整したくなるはず。 オプションでもいいので設定しておいて欲しかったですね。 シート生地はブラックのみの設定で、肌触りはやや硬い感じです。
センターアームレストは、最近の軽の中ではやや小さめです。 一人で使うぶんには十分な幅がありますが、長さはもう少し欲しいところです。 高さは、もう少し高めでもいいかなと思いますが、ドアアームレストとの関係はなかなかよいです。 「スティングレー」には収納ボックスがつきますが、こちらは収納なしで、クッション性重視ってところですね。 アームレストは、もうちょっとがんばって欲しい感じですね。
新型のインテリアで一番良くなったところは、後席の居住性でしょう。 室内長は、旧型よりも125mmも拡大されているので、足元空間はかなり余裕があります。 足元空間だけに限れば、「パレット」ともそれほど大きな差はありません。 ただ、2100mmを超える室内長の「ムーヴ」や「タント」と比べると、普通のレベルに見えてしまいます。 困ったもので、一度とんでもなく広い車に乗ると、それ以外の車がみんな普通に見えてしまうんです。 でも、そういった比較をしなければ、「軽でもこんなに広いの?」と思える広さです。 前席と違って頭上空間もかなり余裕がありますし、これ以上の空間は要らないという人も多数いるでしょう。 シートは、やや柔らかめで、クッションの厚みが比較的たっぷりありますし、座面やシートバックが平坦ではなくややサイドが盛り上がっているので、それなりに包まれ感があり、座り心地は良いほうです。 シートバックの幅も拡大されているということで、大人を乗せても快適に過ごしてもらえます。
リヤシートのスライド量も拡大され、160mmになりました。 写真は、一番前にスライドした状態です。 ライバルの「ムーヴ」が255mmのスライド量なので、それと比べるとインパクトはありませんが、実用上使えるのは160mmくらいが限度でしょうし、この車は左右独立でスライドができるという点が強みです。 荷物の量や乗員の数にフレキシブルに対応できるというメリットがありますが、両方のシートをスライドさせたいときに2回操作が必要というデメリットもあります。 左右一体の「ムーヴ」か、左右独立の「ワゴンR」か、そこも悩みどころのひとつでしょう。 後席のステップの段差も少なくなり、345mmというステップ高は、低床トールワゴンの「パレット」や「ゼスト」とほぼ同レベルで、確かにスムーズに乗り降りできるようになっています。 気になるのは、前席下の足入れスペースの幅がやや狭いのと、リクライニングの角度があまりつけられないことで、この2点が改善されれば、かなり居心地のよい後席といえると思います。
フルフラットは、もちろんOKです。 これができなきゃ「ワゴンR」じゃないといってもいいくらい、これは外せない機能です。 シートを前にスライドさせ、ヘッドレストを外せば、このようにきれいに後席の座面とつながります。 アームレストが小さめなことと、フロントシートのサイドサポートが大きめなことによって、フラット感はイマイチですが、クッション性は良いし、ちょっとした休憩程度ならこれで十分でしょう。
「ワゴンR」といえば、この助手席です。 座面を持ち上げると、取っ手のついた大容量ボックスがあり、そのまま持ち出せるようになっています。 旧型よりも少し浅くなってしまっているようですが、そのまま持ち出して使えるというアイデアはいいですよね。 また、その状態でシートバックを前倒し(写真左下)することで、テーブル代わりに使ったり、長尺物を運ぶ際などに荷室の延長として使ったりできます。 この前倒し機構が付いているのにフルフラットもできるというところが、この助手席のいいところです。 シートバックには、ポケットと回転格納式のフックが装備されています。
ドアトリムは、非常によくできています。 まず、ドアアームレストの幅が非常に広く、使い心地がとてもよいのです。 新型になったからといって室内幅を無理に広げるのではなく、きちんと使い心地を考えてデザインしているところに好感が持てます。 また、腕の当たる部分をクロス張りとして、肌触りや質感もきちんと考えてあります。 気になるのはドアポケットが小さいことくらいで、そのほかは本当によくできたドアトリムだと思います。 ウエストラインが高くなったことで、ドアトリムが視界に入りやすくなったので、このドアトリムの質感の高さはインテリア全体の質感にも影響しています。
リヤドアトリムも、フロントと同じイメージでデザインされていて、質感が高いです。 フロントと同じクロス張り、フロントよりは狭いもののそれでも十分な幅を確保しているドアアームレスト、そしてその上に設けられたパワーウインドウスイッチなど、しっかりポイントを押さえてあるので、リヤシートでもとても快適です。 フロント同様にドアポケットが小さいことだけが気になりますが、ドリンクホルダーも完備していますし、ほぼ不満のないドアトリムです。
最後は、荷室と試乗レポートです。
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