1.車種の選び方
どの車を買うかって、迷いますよね。 特に軽自動車の場合は、全長・全幅はみんな同じだし、排気量も同じで馬力などにもほとんど差がないですから、選ぶ基準は主にスタイル、燃費、乗り心地、装備、価格の5つになるでしょう。 それにしてもこの5つすべてが完璧という車はないですね。 メーカーもそんな車は造りません。 そんなことをすれば価格が跳ね上がってしまい、人によっては必要ないものまで値段に反映されてしまうからです。 つまり、それぞれの用途やニーズに特化した車を造って、いろんなニーズに対応できるようにしているんですね。
しかし、このことによって買う方にとっては選択が難しくなることもあります。 スタイルはこの車が好きだけど、居住性はこっちの方がいいし、でもこの装備はあっちの車にしかついてない・・・といった具合に、一つの車ですべてが満足できるというわけにはなかなかいかないのです。
車種を決めかねているときには、まず目的をはっきり持つことが大事です。 どういう用途に使うのか、どんな道を走るのか、誰が運転するのかなど具体的にその車を使う場面を想定してみることです。 それによって、車種までは決まらなくてもコンパクト、ワゴン、SUVなどといったタイプまではおおかた決められるでしょう。 新しく発売された車はついつい欲しくなってしまいますが、ただ新しいというだけで決めてしまうと次に新しい車がでたときにその意味が失われてしまいますから、本当にその車が自分のライフスタイルに合っているのかを冷静に考えてみる必要があります。
タイプが決まっても、車種まではどうしても決められないという場合は、一番人気のある車を選ぶ方法もあります。 人気車というのは、やはりそれなりの理由があって売れているわけですし、デザインも奇抜でないものが多いので、飽きずに長く乗れるという利点があります。 また、人気車にしておけば、下取りに出すときに査定が高額になりやすいということもあります。 各社の同タイプの車の中で一番販売台数の多いものを雑誌などで調べればすぐに人気車がわかりますので、それを選んでおけばあとで後悔する可能性は少なくなります。
言うまでもありませんが、自分が惚れ込んだ車があるという場合には、それを買うのが一番賢明です。 何らかの理由で他の車を買ったとしても、あとあとずっとその車のことが気になってしまうからです。
2.色の選び方
車種が決まったら、次は色について悩まないといけません。 気に入った色がはっきり決まっている人はいいのですが、どれでもいいとか、どちらか迷っているという場合には、気をつけた方がいい点があります。
新車の価格は、パールホワイトなどオプションの色を除いてはどの色を選んでも同じです。 しかし、中古車になると、同じ車種でも色によってかなりの価格差が出てきます。 人気色と不人気色というのがあって、不人気色だと極端に安くなることがあります。 ということは、そうです、新車で同じ値段で買った車でも、色によって下取りに出したときの価格が変わってくるのです。
新型が発売されたばかりのときには、カタログの表紙に載っているイメージカラーの車がよく売れます。 しかし、このイメージカラーは印象を濃くするために奇抜なカラーを使っている場合もあり、そういった派手な色はその後はだんだん人気がなくなるという傾向があります。 ですから、なんとなくイメージカラーを選ぶくらいなら、思い切ってパールホワイトを選んでおいたほうが無難です。(あくまで好きな色が決まっていない場合です) 人気の高いパールホワイトは、新車時の価格が3万円高くても、下取りの価格は5万円以上高くなっているケースも少なくないのです。 実際、下取り価格表(社外秘なので見せてもらえません)では、パールホワイトは5万円プラス、シルバーと白、黒はプラマイゼロ、その他は3万円マイナスなんて感じの評価がしてあります。(ただし、車種やそのときの流行によって変動します)
まだまだパールホワイトの人気は衰えそうにありません。 何でもいいという方は、少し高くてもパールホワイトにしておくことをお勧めします(ただし、手入れは大変なので、洗車が苦手な人は、人気も評価価格も安定しているシルバー系が良いでしょう)。 ただ、これも車種や流行によっていつでも通用するものではなく、最近は好みが分かれつつありますので、購入時には営業マンに人気のある色を確認してみるといいでしょう。
3.購入の時期
購入の時期については、ずばり「必要なとき」なのですが、ある程度自由が利くならば少し考慮したほうが良い点があります。
まず、下取車がある場合は車検の6か月くらい前が一つの「売り時」でしょう。 車検残は下取りの際プラス評価になりますが、実際に車検にかかった費用よりはかなり低い評価になりますので、あまり車検期間を残すのは得策とは言えません。 また、車検がまったく残っていない車は、「車検残がないですからねえ」と足元を見られることがあるので、余裕を持って納車待ちができることも考えるとやはり残6か月くらいがベストと考えていいでしょう。
次に、新型車の場合は状況が許すなら発売から1年以上経ったものをお勧めします。 新型車の場合、開発期間にどうしても制約があるため、最初のうちに生産された車は不具合が出やすいという傾向があり、部品の交換などでディーラーに車を預けなければいけないケースが多いからです。 せっかく買った新しい車をディーラーに預けたりするのは面倒ですよね。 一年くらい経過するとこれらの不具合もほぼ改善されたものが出回ってきますので、この時期に買えばあとで不具合が出てくる可能性は低くなります。 また、最近は、2年目のマイナーチェンジを待たずに、1年以内で新グレードの追加やボディカラーの変更、装備の充実などの小変更を行なうケースも多くなっています。 発売から1年待つということは、購入後にもっとお買い得なモデルが出て悔しい思いをするというリスクを軽減する意味でも有効だと言えます。
4.値引き交渉の仕方
車の販売価格はメーカーによってあらかじめ決められていますが、実際には購入する人によってまちまちなのが現状です。 どうせなら少しでも安く買いたいですよね。 安く買うためには、いくつかのコツがあります。
まずは、店と営業マンを選ぶこと。 安く買える店、安く売ってくれる営業マンがいることは事実です。 実際にそこのディーラーで買った人に値引き額などを聞くのも一つの手です。 また、説明をしてくれた営業マンが気に入らなかったら、また日を改めて出直し、他の営業マンに話を聞いてみるという手もあります。 いずれにしても、なんとなく居心地がいいとか、この営業マンとは話が合うという感触があったら、とりあえず買う意思があることを伝えておきましょう。
どこの誰から買うかを決めたら次は交渉ですが、一番効くのは一度で決めないこと。 何度も足を運び、営業マンに自分を覚えてもらうことで、あなたは「見込み客」となります。 こうなると、営業マンもあなたのことが気になって、なんとしても買って欲しいという気になってきます。 ここまでくればしめたもの。 営業マンは、「〇〇さん、もうちょっとなんですけど、ちょっとムリしてもいいですか」なんて上司に相談することになるわけです。 要は、無理やり値引きをせまるのではなく、営業マンを味方につけて「買って欲しい」と思わせることが重要なんです。
そして、最後の切り札。 それでもどうしても納得いく値引きが得られない場合には、これが最終価格という金額を提示してもらい、「家で相談する」と言っていったん家に帰ります。 で、夕方ごろになって営業マンに「もう一度だけ話をしたいから家に来て欲しい」というのです。 こうなると、営業マンは「売れた」と思う反面「引き下がれない」という気持ちになります。 そこで、本当の最終条件を持ってくるわけです。 家にまで行って、「そんな値引きはムリだから私は手を引きます」なんて言えませんものね。 ちょっとかわいそうな気もしますが、こちらも真剣勝負です。 ここでは自分の希望を素直にさらけ出してみましょう。 きっと営業マンは好条件を出してくれるはずです。 それと、このときにテーブルの上に印鑑を出しておくという手もあります。 本当にここで契約してくれる気があるということがわかれば、営業マンも安心して最終条件を提示できるからです。
他にも、他車と競合させたり、未使用車を候補に入れたりという方法もありますが、あとあといろいろなサービスを受けたり、次の買い替えの時に有利な条件にしてもらったりということができるようにするためには、このように一人の営業マンにとことんがんばってもらうという方法もなかなか有効です。 お互いが気持ちよく、好条件で買えて、あとあとまでいろいろお得というのが私のお勧め交渉術です。
5.アフターサービスの受け方
値引き交渉の仕方と話がつながってくるのですが、ディーラーのアフターサービスもなかなか利用価値があります。 例えばオイル交換などは、車両持ち込みをすると特別値引きをしてくれて、カー用品店などより安くしてくれる場合も多いです。 普通、ディーラーの場合はオイル交換でも車を引き取りに来てくれますから、これを自分で持ち込めばその分を割引してくれるわけです。 また、大抵の場合このときに他の安全点検なども一緒に行ってくれますから、不具合の早期発見ができます。 そして、ディーラーでは自店で販売した車の整備状況などを記録していますから、下取りに出すときなどに、営業マンがその車の状態をよく把握でき、査定価格を高くしやすいというメリットもあります。 どんな使われ方をされたかわからない車よりも、状態が把握できている車のほうが中古車としても売りやすいということなんですね。
一般的にディーラーは何でも高いというイメージがありますが、よく観察してみるとそうでないケースもあります。 ディーラーから送られてくるDMなどをチェックして、カー用品店などの価格と見比べてみましょう。 ディーラーを敬遠するのではなく、おいしいところだけ利用させてもらうのが、賢い付き合い方です。 また、よく利用しているとお得意様としていろんなイベントに呼んでもらえたり、「ライトをマイナーチェンジ後のライトに取り替えたい」なんていう少々ムリなお願いも聞いてもらえるようになったりする場合もあります。 これらはお店次第なのでなんとも言えませんが、ディーラーとの付き合いを持っておくことは決して損にはならないと思います。
一度車を買ったときから次の買い替え時の駆け引きが始まっていると考えて、ディーラーとも上手に付き合ってみましょう。
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