6.短期決戦の場合
車の購入に際して、契約金額に満足できない場合、基本的には長期戦に持ち込むのが鉄則です。 しかし、すぐに車が必要だったり、のんびりしていると決算期を逃してしまうというような場合には、短期決戦で好条件を引き出すことも必要になります。 そこで、前項までで紹介した長期戦が使えない場合の対処方法や、ぜひ活用したい便利なサービスなどについて紹介したいと思います。 なお、あらかじめ軽にすることは決まっているという状態から始めることにします。 目標は、買うと決めてから契約まで1週間です。
<車種を選ぶ>
まずは車種の選択ですが、とにかくすべての車を見てみて、ピンと来た車をピックアップします。 車というのはデザインだけでなく、走りや安全性、快適性など様々な要素を検討しなければいけないのですが、やはり好きな車に乗るということはとても重要です。 軽のオールラインナップを調べるには、「軽購入ガイド」コーナーを活用してください。 メーカーやボディタイプなどのほか、全高、燃費、価格、スライドドアの有無まで、様々な条件で希望に合う車を一発検索することができます。
<カタログを請求する>
次に、気になる車がある程度絞られたら、それらの車すべてのカタログを請求します。 カタログは仕事帰りなどにディーラーでもらってもいいですが、気になる車が多数ある場合は各メーカーの公式サイトでの請求が便利です。 公式サイトから請求すると、数日中にカタログが郵送されてきます。(メーカーによってはディーラーから届けられる場合もあります) そして、特に急ぐ必要のある車種だけを直接ディーラーにもらいに行けば、無駄が省けます。 カタログ請求は1日あればできますね。
<見積り依頼をする>
次に、手元にカタログがある車種はそれを見ながら希望のグレードを決めます。 カタログがまだ届いていない車種は公式サイトのWEBカタログで装備などを調べながらグレードを決定します。 グレードが決まったら、次に見積りを依頼します。 見積りとなると、「具体的な車種が決まってからディーラーに行ってしばらく待たされて・・・」というイメージがありますが、最近はWEB上で簡単に複数車種の見積り依頼ができるサービスがありますので、時間節約のためにこれを利用しましょう。 そうすれば、何車種でも気兼ねなく見積り依頼ができますし、24時間いつでも利用可能なので、時間もまったく気にする必要がありません。 見積り依頼をすると、数日後に近くの提携ディーラーからメールや電話などで見積り額の連絡があります。 このサービスを利用すれば、2日間くらいですべての車種の見積り依頼ができますね。
WEB上で見積り依頼ができるサイト |
オートックワン
全メーカーの見積り依頼が可能。新型車や特別仕様車も即対応可能。 見積りの連絡方法や時間帯など細い希望にも対応。
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<査定依頼をする>
次に、下取り車がある場合は、その相場も知っておく必要がありますので、無料買取査定を受けておきます。 これも非常に便利なサービスがあり、複数の買取専門業者に一括して査定依頼ができるようになっています。 愛車のデータを送信すれば、数日後に各社からおおよその相場などについてFAX、メール、電話などで連絡があります。 その中で、実際に詳しい査定を受けてみたいと思う会社に出張査定の依頼をします。 出張査定は自宅まで無料で査定に来てくれ、時間も夜9時くらいまでやってくれるところが多いので、仕事や学校が休みの日まで待つ必要もありません。 できるだけ早く、できるだけ多くの業者に査定してもらいましょう。 特に年度末は査定の依頼も多いので、店頭に持って行くよりも出張査定で予約しておいたほうが待たされずに済むことも多いです。 ここで一度査定を受けておけば、契約のときに下取りに出すか買い取りに出すかをすぐに決められますね。 これもできれば買い替えると決めたときからすぐに動き出しましょう。
<交渉をする>
ここまでくると、そろそろ一週間ほどが過ぎている頃でしょう。 また、本命の車種もそろそろ決まってきているのではないでしょうか。 ここでいよいよディーラーに出かけるわけですが、できれば仕事などが休みで時間に余裕がある日の午前中に行きましょう。 午前中はお客が少なくて営業マンも余裕がありますし、朝から契約の話となると営業マンもはりきってくれるからです。 そこで、オプションカタログを見ながらオプションを決定し、見積書を出してもらいます。 下取り車がある場合には査定も一緒にしてもらいます。(すでに出張査定で愛車の適正な価値がわかっているので、下取り額が妥当かどうかの判断が簡単にできますね。査定額が出張査定のときよりあまりにも低いときは、下取りではなく買い取りを検討しましょう) 営業マンが見積りや査定をしている間も、展示車に触れてみたり、試乗車に試乗してみたりしてカタログと実車とのイメージが違わないか確認するなど、時間を有効に使いましょう。 もし試乗車がない場合は、近隣のディーラーにないか探してもらい、試乗車を置いてある店舗に連れて行ってもらうのも良いです。 試乗はとても大事なことですし、移動中の車内で営業マンに質問したり、雑談をしてお互いに親近感を持つということもその後の交渉を有利にするコツです。 見積書を提出してもらったら、「納得のいく価格だったら今日契約するので、最終的な価格を出して欲しい」と言って、限界価格を出してもらいます。 「印鑑も手付け金も用意して来ましたから」と付け加えれば効果的でしょう。 営業マンが最も嫌がるのは、自分のところで出した値引き額を他のディーラーに持って行って競合させられることです。 それを繰り返されるといつまでも値引き合戦をやらなくてはいけなくなるので、本当に契約するという段階までは限界価格を出そうとはしません。 ですから、「車がすぐ必要なので、金額が納得できれば今すぐ契約します」と言えば、意外に簡単に大きな値引きを提示してくれることもあるのです。 この段階で金額に満足できればそれで良いのですが、もし満足できない場合には、「奥の手」を使うことになります。
<奥の手を使う>
「奥の手」というほどのことではないのですが、ちょっとした心理作戦に出るのです。 例えば、提示された金額が総額125万円だったとしましょう。 あなたは「120万円なら買いたい」と思っているとします。 ここで、普通なら「120万円にしてください」とお願いするところですが、思い切って「115万円にしてください」と言ってみます。 すでにある程度の値引きをしている段階からさらに10万円の値引というのはほぼ不可能な数字です。(軽の場合) 当然、営業マンは「それはちょっとムリですねぇ」と苦笑いするでしょう。 それには、「そうですよねぇ」と残念そうに答えておきます。 あくまで「この店でこの車を買いたいのだけど価格だけが・・・」という態度を貫くのが秘訣です。 そうすると、営業マンも価格のことだけを考えるようになり、何とかして希望価格に近づけようとしてくれます。 ここでも、空気が緊迫したら雑談を交えて営業マンと敵対しないようにしましょう。 ここで、おそらく交渉は平行線をたどることになると思うので、ひとまず「わかりました。もう一晩考えてみます」と言って帰ります。 これは、自分の気持ちを整理する意味もありますし、営業マンに上司と相談する時間を与える意味もあります。 そして、次の日(時間がなければその日の夜)に再びその営業マンに電話をし、「どうしても今日契約したいので、今から行きます(あるいは「来てください」)」と告げます。 この段階で、営業マンはほぼ限界価格を用意しているはずですが、おそらく115万円にはなっていないでしょう。 ここがポイントです。 「115万円はムリですが、122万円ならなんとかなります」といった感じで契約を迫ってくると思うので、「じゃあ、115万円はあきらめます。118万円でよろしくお願いします。最後のお願いです。」と言ってみます。 つまり、今までは押しの一手でしたが、ここで譲歩したように見せかけるのです。 営業マンにばかりがんばってもらうのではなく、自分も限界までがんばっているのだということをアピールするのです。 それでも、122万円が本当の限界価格ならそこから4万円は引けないでしょう。 そこで営業マンが困ってしまったら、最後の一言「じゃあ、間をとって120万円でお願いします。これで印鑑押します。」と言います。(本当は、最初から120万円を狙っていたわけですけどね。) これは効きます。 営業マンにしてみれば「5万円も歩み寄ってもらって『できない』とは言えない」という気持ちになってしまうので、少々ムリをしても「わかりました」と言ってもらえるはずです。
この他にもいろいろと小技はあるのですが、短期決戦の場合に最も効果的と思われる方法の一例として紹介してみました。 便利なサービスはとことん活用して事前準備をし、交渉は「押しの一手から最後に歩み寄り」というこの方法は、実際に私が使って納得の価格を得ることができた方法でもありますので、ぜひ参考にしてみてください。(ちなみに、このときは交渉から2日目で契約しました)
<ローンを使う場合>
ローンを使う場合は、金利にも注意しましょう。 実は、ディーラーでローンを組む場合、交渉しだいでは金利を安くしてもらえる場合があります。 ローンの金利はそのまま総支払額に影響するわけですから、値引き交渉とともに金利の交渉もやってみる価値はあります。 例えば、100万円を60回の均等払いで払う場合、実質年率5.0%だと総支払額は1,132,300円となりますが、実質年率4.0%の場合は1,105,000円となり、たった1%で支払額に27,300円もの差が出ます。 これは見逃せませんよね。 ですから、まず「ローンの金利はいくらですか?」と聞いて、「それが最低の金利なのでしょうか」と相談してみましょう。 そうすれば、より低い金利を適用してくれる場合があります。 また、年度末などは特別金利のキャンペーンなどもやっていることがあるので、最初からこれを利用するのもいいですね。 もちろん、銀行などのローンとも比較・検討する必要がありますが、手続きの比較的簡単なディーラーのローンで低金利を適用してもらえれば、それが最も楽だと思います。 金利の交渉は、値引き交渉に行き詰ったときの最終手段としても使えますから、ローンを使われる方はぜひ頭に入れておいてください。
<自動車保険も賢く選ぶ>
蛇足ですが、契約時に任意自動車保険の加入についてセールスを受けることがあると思います。 特に初めて車を買う場合にはまとめてお願いすると便利ですが、ひとまずは商品説明と保険料の額を聞いて見積書をもらって帰りましょう。 自動車保険は様々な会社が様々なサービスを提供していて、よく調べれば同じ保障内容でも保険料がずいぶん安くなることもあります。 ですから、よく研究してなるべく安く、そしてサービスの良い会社を選ぶのが賢いと言えます。 保険料については、複数の会社に一括して見積り依頼ができる便利なサービスがありますので、これを利用すると一目瞭然です。 また、事故が起きた時の対応も保険会社を選ぶ上で重要なポイントですが、こればかりは実際にお世話になったことがある人に聞いてみるしかありませんので、会社の同僚などに尋ねてみると良いでしょう。
7.中古車の買い方
中古車というと、価格が安くて身近な存在であり、初心者でも手が出しやすいというイメージがありますね。 しかし、実際に購入するとなると、後々「失敗した!」と思わなくて済むような賢い買い物をするには非常に高度な知識や豊富な経験が要求され、実はあまり初心者向けではないのです。 なぜなら、新車の場合はどこで買っても同じ状態の車を同じサービスのもとで買えますし、その車の価値はメーカー希望価格によってあらかじめ決められているので、あとは単純に値引き交渉をすればよいわけです。 また、何か不具合が起きても保証があるので心強いですね。 ところが、中古車の場合、車の状態は一台一台で異なり、その価値も他の車と単純に比較することができません。 ですから、表示価格が本当にその車に見合った価格なのかどうかを判断するのが非常に難しいのです。 また、何か不具合が起きた時にも、基本的に自分で解決するか、または販売店と修理金額の負担について交渉する必要があります。 ですから、車の知識に自信がない人の場合は、基本的には新車を購入したほうが良いと私は思っています。 しかし、予算の都合もありますし、欲しい車が生産終了になっていれば中古車を購入するしかないわけで、そういったときに「これだけは知っておいて欲しい」という点をまとめてみましたので、中古車を検討されている方はぜひ参考にしてください。
<情報を集める>
中古車を検討されている方は、おそらく欲しい車がある程度絞られていることと思いますので、車種選びに苦労されることはあまりないと思います。 しかし、困ってしまうのは、すでに生産終了になっている場合はディーラーに行ってもカタログなどがもらえず、また、公式サイトなどでも詳しい情報が得られなくなっているということです。 これでは、どんなグレードがあって、どんな装備がついていて、新車価格はいくらだったのかということさえわかりません。 そこで、まずはその車についての情報収集をする必要があります。 もちろん、中古車販売店に行って実車をたくさん見てみることも大切ですが、いつも希望の車種が都合よく置いてあるわけでもないので、それなりの時間が必要になってしまいます。 そこで、ここはインターネットを最大限活用することにしましょう。 Yahoo!などのカテゴリ検索で希望の車種のサイトを探せば、ほとんどの車種でファンサイトなどが見つかりますので、そこで情報収集をしたり、掲示板でオーナーに質問してみたりすれば、効率よく情報収集ができます。 また、旧型車を含めた全車種の詳細データを参照できるサイトもありますので、下記のようなサイトを最大限利用して、欲しい車のグレード、主な装備、新車価格くらいを理解しておくといいですね。
<相場を知る>
装備やグレードなどを調べたら、次に相場を調べます。 中古車の価格を決める3大要素は、年式(初度登録年月)、走行距離、修理歴です。 その中でも年式は最も重要で、グレードと年式によって基本価格が決められます。 そして、走行距離が基準(おおよそ年間1万キロ前後)よりも多いほど価格がマイナスに、少ないほどプラスになります。 修理歴は、まったく無ければプラスマイナスゼロで、修理箇所があればその程度によって基本価格からマイナスになります。 この他にも、ボディカラー、ミッション、オプション装備など価格を左右する条件がいくつかありますが、まずは3大要素に着目してください。 そして、「どの年式のどのくらいの走行距離だといくらくらいなのか」ということをデータとして頭に入れておきます。 そうすることで、実際に中古車販売店で車を見るときに、その車が一般の相場に対して高いのか安いのかが判断しやすくなります。 相場を知る手段としては、中古車情報誌が最も手軽です。 価格も数百円ですし、地域ごとの相場も把握しやすいので、まずは立ち読みでもいいので「実際にいくらで売られているか」を調べてみましょう。 より多くの情報をより早く知りたいという場合には、WEB上で全国の中古車を検索できる便利なサービスがありますので、これを利用するといいですね。 中古車情報サイトの良いところは、気になる中古車があれば詳細の問い合わせや見積りなども依頼できるところです。 このサービスを利用すれば、自分が欲しい車に近い状態の車を探すことができ、より正確な相場を知ることができます。
中古車検索や問合せなどができるサイト |
カーセンサーnet
全国10万台の在庫から中古車検索、メールでの見積り依頼などが可能。
Goo-net
全国の豊富な在庫からグレード、価格、年式など細かい条件で検索可能。 遠方の販売店でも見積もり依頼から購入までOK
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<実車を見る>
さて、ここまでで大体の相場が理解できたら、いよいよ実車を探すことになります。 中古車の場合、常に在庫が変動していますから、できるだけ多くの販売店をこまめに訪問し、希望に合った車が見つかるまで根気強く探しましょう。 このときに、販売店の雰囲気もよく観察しておくと良いですよ。 中古車の場合、販売店との付き合いは新車以上に大切になりますので、販売店選びも非常に重要です。 いろいろな質問に的確に答えてくれるか、ちゃんと調べてくれるかなど、しっかりと観察しておきましょう。 お気に入りの車を見つけたら、最も重要な実車のチェックを行います。 このときにチェックすべきことは非常に多く、とても高度な知識が必要です。 しかし、素人でもある程度チェックできる項目がありますので、その一部を紹介します。
まず最も気になるのが修理歴ですが、ボディパネルの板金・塗装跡は、 1.斜めから見た時に波打っている部分がないか 2.ドアの縁などを指で触ってザラザラしていないか 3.艶や色などが周りと異なる部分がないか などを確認することである程度わかります。
また、ひどい事故を起こしてパネルを交換している場合は 1.ボンネットやバックドアなどを開け、シール部材(パネル間の隙間を埋めているもの)が均一になっているか 2.ボンネットやバックドアを開けたところやフェンダーの裏側などの汚れ具合が左右均一になっているか 3.ボディパネルを取り付けているボルトの角の塗装が剥げていないか などを確認してみると何らかの異常が見られる場合があります。
次に、よく耳にする「メーター巻き戻し」についてですが、これについても、素人でもある程度見抜くことは可能です。 ポイントとしては、同程度の走行距離の車と比較して、 1.ハンドルの擦れ具合が不自然ではないか(異常にピカピカになっているなど) 2.シートのヘタリ具合は適当か(助手席と比べて明らかにクッションの反発が無いなど) などを調べれば多少の判断基準になりますし、記録簿が残っていれば走行距離の記録もチェックしてみましょう。
その他にも、ぜひ調べておいて欲しいことがいくつかあります。 1.エンジンのオイルキャップを開けて中を覗いてみる(前オーナーがオイル管理を怠っていた場合、内部が真っ黒になっています。鉄の部品にキレイなオイルの膜ができているのが見えればオイル管理をちゃんとしていたと思われます) 2.タイヤの減り具合や減り方を見る(片減りがなく、4輪がまんべんなくきれいに減っているか) 3.ゴム部品が劣化してヒビが入っていないか(エンジンルームなどまですべて確認しましょう) 4.下から覗いてみてボディに曲がり・ヒビ割れ・錆・シミなどがないか など、隅々まで確認してみましょう。 このとき、疑問に思ったことは販売店に聞き、それに対して納得のいく説明をしてもらえるようなら、信頼できるお店ということになるでしょう。
<契約をする>
納得のいく状態で納得のいく価格の車が納得のいく販売店で見つかったら、いよいよ契約となるわけですが、新車と中古車では契約時のポイントがやや異なります。 新車の場合は値引き交渉がメインになりますが、中古車の場合は基本的に値引きはありません。 もちろん、値引きをお願いすることは悪くありませんが、それよりも少しでも良い状態で納車してもらうことの交渉を行ったほうが得策です。 例えば、オイルやベルト類はすべて交換してもらうとか、タイヤが減っているなら新品に交換してもらうとか、気になったところはすべて最良の状態にして納車してもらうことを条件に契約すれば、後々安心ですし、値引きを迫るよりも雰囲気が悪くならず交渉が楽です。 そして、契約の前に保証内容をしっかり確認しておきます。 中古の場合、販売店によって保証なしのところもあれば6ヶ月保証というところまであり、保証内容も様々です。 ですから、どんな保証がいつまで続くのかを、できれば書面ではっきりとしてもらいましょう。 中古車で最も問題になるのが買った直後に起こった不具合で、保証内容をしっかり確認しなかったためにずっと嫌な思いをしなくてはいけないというケースも多いのです。 「中古車は必ず不具合が出るもの」と思い、不具合が出たときにどう対処するかをあらかじめ考えておくことが、中古車購入の際のポイントと言えます。
<未使用中古車を買う>
「新古車」という言葉を聞かれたことがある方も多いと思いますが、最近はこの言葉は使われなくなっており、代わりに、「未使用車」「未走行車」などと呼ばれるようになっています。 これらの車は、ディーラーなどが販売目標達成や試乗車確保などのために一度登録してナンバーをつけたもので、厳密に言えば中古車です。 しかし、実際にはただ展示してあるだけで実際にだれかが使ったわけではない場合がほとんどなので、「新古車」という曖昧な表現をしていたのです。 しかし、それでは「新車」なのか「中古車」なのか区別がつかず誤解を招くということで、自動車公正競争規約上「新古車」という表現は不当表示とされ、現在のように「未使用車」などの表現が使われるようになりました。 「未使用車」と「新車」の違いは基本的に「ナンバーが先についていたか、新たに付けたか」の違いなので、新車同然の車を(諸費用などを一部カットできるため)安く買うことができる「未使用車」の人気は非常に高くなっており、専門店もできるほどになっています。 しかし、いくら新車感覚で買えるといっても、確認しておくべき注意点はあります。 まずは車検残の確認です。 車は、登録してナンバーが付いた時から次の車検までのカウントダウンが始まります。 ですから、「未使用車」の場合はいつ登録されたのかを確認しておかないと、3年先と思っていた次回車検が2年後に迫っていたなんてことにもなりかねませんので、車検証やフロントウィンドウのステッカーで確認しておきましょう。 当然、車検残が短いほど相場も安くなりますので、車両価格を見る場合にその点も注意してください。 また、通常の新車の3年保証(一部5年)が適用されることも忘れずに確認してください。 一度他人名義で登録された車を買った場合でも、保証期間が残っていれば手続きをすることで保証を継承することができます。 その点についてもしっかりと説明を受けて、納得して契約するようにしたいですね。
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